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老舗パチンコメーカー「西陣」の廃業でパチンコ業界に激震。高尾倒産との‟決定的な違い”

高尾、マルホン工業の倒産と何が違うのか?

パチンコ

1993年に登場し、一世を風靡した「CR花満開」

 昨年5月、パチンコメーカーの高尾の倒産(※民事再生、その後に上場メーカーが親会社になって事業を継続)を本稿で取り上げました。また2015年のマルホン工業の民事再生と奥村遊機の自己破産など、遊技人口の減少や市場規模の縮小で遊技機メーカーも厳しい時代に追い込まれています。  ただこの3社はいわば中堅メーカーであり、それまでの販売台数などを考えれば、失礼ながらそういう事態になってもおかしくはないなというのが業界関係者の感想でしょう。それでも、いくらここしばらくはヒット機種がなかったといっても、西陣というブランドは業界内では前述の3社とは比べ物にならないほど大きなものでした。  かつては群馬県の桐生に本社を構えていた関東の3メーカー、西陣と平和とSANKYOはパチンコ業界においては3大メーカーとして知られた存在です。しかし平和とSANKYOが上場を果たして一般的にも大手企業として成長していくなか、西陣だけはちょっと時代に取り残されたのかなという感は否めませんでした。

スマスロ、スマパチ登場も業界は厳しい状況

 とはいえ名の知れた老舗メーカーだけに、積み重ねた知的財産を豊富に有しており、他社からの特許料だけで食べていける……なんていう都市伝説が業界内でささやかれるほど。まさか西陣が倒産するなんてあり得ないだろうと考えられていただけに、廃業というニュースには筆者だけでなく業界全体が驚かされました。  廃業のお知らせにもあったように「市場環境は今後さらに厳しくなる状況」であるのは、業界関係者なら誰もが実感していること。昨年11月からのスマスロ、また今年4月からはスマパチと、スマート遊技機の登場で盛り返しつつあるように見えるものの、新たな設備投資に耐えられないホールの休廃業は相変わらず続いており、ファン人口も横ばい傾向ながら増えているとまでは言えません。  ここ数年は大手メーカーでさえリストラを発表するような状況だけに、取引先に迷惑をかけてまで事業を継続するより、きれいな形で終われるような廃業も現実的な選択肢の一つになっているということなのかもしれません。
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それでも“西陣”は残る!?
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ライターとして25年のキャリアを持つパチンコ大好きライター。攻略誌だけでなく、業界紙や新聞、一般誌など幅広い分野で活躍する。

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