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巨人はなぜ「若手を使わないのか」。ヤクルト高津監督と対照的な“原監督の哲学”

巨人で若手を起用する意味を考える

 巨人はよく外から「どうして若手を使わないのか」という声がよく聞かれる。その点を原監督に指摘すると、こんな答えが返ってきた。 「たんに経験を積ませるだけなら使わないほうがいい。『一軍のレギュラーとしてやってやる!』という気概を持った選手でないと、起用する意味はないと思っています。若い選手を使うには、それなりの理由が必要ですが、一度起用すると決めたら、指導者の根気も必要になってきます。 『もうスタメンから外したほうがいいかな』と思っていても、『やっぱり今日も起用しよう』とポジティブに思い直すポイントがあるのかどうか。この点を探すのも大切なのです」

歴史は繰り返されるのか

 その坂本も、今シーズンが終われば35歳となる。坂本が遊撃手のレギュラーを獲ったとき、それまで要として君臨していた二岡智宏は度重なるケガによって守備範囲の狭さが指摘し始めていた。そのポジションを脅かすはずの若手の野手が、伸び悩んでいた最中、坂本はレギュラーの座をつかんだのである。  今年の巨人はルーキーの門脇誠と、高卒で3年目を迎えた中山礼都が坂本のポジションをおびやかそうとしている。はたして歴史は繰り返されるのか。  23年のペナントレースは始まってまだ1ヵ月も経っていない。残りはまだ5ヵ月以上もあるが、ヤクルトと巨人の行方にも注目し続けていきたい。 <TEXT/スポーツジャーナリスト 小山宣宏>
スポーツジャーナリスト。高校野球やプロ野球を中心とした取材が多い。雑誌や書籍のほか、「文春オンライン」など多数のネットメディアでも執筆。著書に『コロナに翻弄された甲子園』(双葉社)
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