お金

大量閉店「庄やグループ」。苦しい懐事情の原因の一つに日本人の“魚離れ”

以前の水準には回復できない?

なお、大庄は今後について様々な方針を掲げています。飲食事業においては客の目の前で魚をさばく「お魚総本家」などの新業態店を開店させるほか、GoogleやLINEを用いた集客施策を進めるようです。 飲食以外の事業ではスーパー向けに「庄や」メニューの卸売を始めており、前橋地盤のスーパー「ベイシア」で真ホッケ開き焼きなどの商品が提供されました。他飲食チェーン向けの物流事業も強化するとしています。 ただ、いずれも「魚」を中核とした施策であり、魚離れが進む国内市場を考慮すると厳しいと考えられます。飲食事業で全く異なるタイプの業態店をオープンし、それをヒットさせなければピーク時(2008年)の水準まで業績が回復することはないでしょう。 仮にヒット作を狙う場合、様々な業態店を試し続けるトライ&エラーのような方針が求められますが、そのための資金も乏しい状況です。大庄の業績はしばらく低調に推移すると考えられます。 <TEXT/山口伸>
経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 Twitter:@shin_yamaguchi_
1
2
3
おすすめ記事
ハッシュタグ