炎上したスープストックが「間違っていなかった理由」。企業が“平謝り”する時代は終焉か
先日、首都圏を中心に展開する「スープストックトーキョー」が、離乳食の無料提供を開始すると発表した途端、一部の批判投稿をきっかけに公式アカウントが炎上するという騒動が発生しました。
また、その後には大手自動車ディーラーの従業員がSNSに投稿した動画が、障碍者を揶揄した不謹慎な内容だと多くの批判を集め、企業が謝罪に追い込まれる事態に発展。
企業のブランドイメージ構築や新商品の情報発信のために、現代ではSNSの活用が必要不可欠となっています。しかしそれは、第三者がだれでも投稿できるその仕組み上、公式アカウントが“炎上”する危険性を常にはらんでいます。
今回は、SNSリスクコンサルタントの筆者(井ノ口樹・いのくちたつき)が、企業SNSにおける「担当者の暴走を防ぐ方法」をお伝えします。
これまでにも企業のアカウントが炎上するケースは多々ありましたが、前者のスープストックのケースは、自社の“やらかし”ではなく、第三者の批判的な投稿が発端となりました。
具体的な批判の内容については既報のとおりですが、スープストックの発表に賛同する意見が多数を占める中で、一部の批判的な投稿に対し、さらにそれらを否定する投稿が集中。結果としてネガティブな書き込みが増えてしまうという状況となってしまいました。
このような批判的な意見に対し、これまでのリスクマネジメントの手法としては、「ご不快な思いをさせてしまい申し訳ございません。お客様からの多様な意見を真摯に受け止め、今後に活かしてまいります」といった“無難な”対応が定番でした。
企業としてはお客様に対しあくまで謙虚にふるまい、ひとまず謝罪し相手をなだめ、敵を作らないといった考え方が主流であったことは事実です。
ところが、今回のスープストックの対応は、あらためて企業理念を堂々と掲げ、安易な謝罪や路線変更をせず、自社の方針を貫くことを表明するものであり、結果的にこの内容が多くの支持を集め、企業のブランドイメージ向上へと繋がった好例となりました。
“やらかし”ではなかったスープストック
方針を貫いたことでブランドイメージ向上
在京テレビ局関連会社、一般企業広報、人材教育コンサル会社を経てネットコンテンツ管理業務に従事。これまで数多くの問題投稿に向き合ってきた経験とメディアやコンサル業界で培った見識を活かし、ネットリテラシー向上を目的とした講演や評論活動を行う。一般社会人や中高生、教育関係者、芸能関係者等に特化した独自の研修プログラムを提供している。温泉ソムリエ、温泉入浴指導員、アンガーマネジメントファシリテーター、国内A級ライセンス資格を所有。
記事一覧へ
記事一覧へ
この記者は、他にもこんな記事を書いています
ハッシュタグ