仕事

YOASOBIコラボ、YouTube3億回再生…“秋葉原発”ダンスパフォーマンス集団が逆境から成長できたワケ

プレイヤーと経営者は「右脳と左脳の掛け算」が肝

 榊原さんはプロデューサーとしての立場から、メインはメンバーの活動をサポートする役割に徹している。その傍ら、会社の代表として企業経営にも従事しており、アーティストやクリエイターのマネジメントや広告・CMのクリエイティブ制作も担っている。  いわばダンサーとして踊る「プレイヤー」とビジネスを成長させていく「経営者」では、どのように頭脳を使い分けているのだろうか。 「右脳と左脳の掛け算が大事だと思いますね。経営で言えば、数字は嘘つかないわけで。赤字なら社員に給料は払えないですし、経営指針やビジョンの遂行も考えなくてはいけない。対してクリエイティブのほうは、何が今流行っていて、どんなコンテンツを作れば刺さるのか。“イケてる”ものを追求し、それを世の中に知ってもらう努力をすることが求められるわけです。RABの動画づくりでは、企画段階から企業やアーティストとのコラボ案件につながることを想定し、横展開できるプランを視野に入れながら、制作を進めているような状況です」

アニメ化や武道館単独ライブなどの活動も

アキバ

YOASOBIの新曲「アイドル」のレコーディング現場での写真。今回、YOASOBIのほうからRABに直接オファーがあったという

 直近では、テレビアニメ『【推しの子】』のOP主題歌となっているYOASOBIの新曲「アイドル」に、RABがコールパートとして参画。今後もさまざまなクリエイターやアーティストとコラボし、唯一無二の存在として活動の幅を広げていきたいそうだ。 「RABで目指しているのは主に3つあります。ひとつはアニメ化。現在、夢の実現に向けて着々と進行していて、引き続き取り組んでいければと思っています。また、歌わないダンスアーティストとしては史上初となる日本武道館での単独公演を目標に頑張っていますね。そして、RABの次世代を担う後輩の育成にも注力していきたい。  ブレイクダンスがパリ五輪で正式種目になるなど、確実に以前よりも市民権を得ているなか、僕らはブレイクダンスがあったからこそ、繋がれて、ここまでやってこられました。その恩返しも含め、ダンスの楽しさや魅力について、RABを通じてもっと伝えたいし、そのためには何十年、何百年と続くチームにしていきたい」  近年におけるダンスシーンは、筆者がダンスサークルに入っていた頃と比べ、かなりの広がりを見せている。世界最大規模のダンスバトル「DANCEALIVE」やプロダンスリーグ「LEAGUE(Dリーグ)」が、大きな会場で行われ、エンタメとして観客を魅了する。  RABもまた、多くの人にダンスの楽しさを伝えるダンスパフォーマーとして、成長していくのではないだろうか。 <取材・文・撮影/古田島大介>
1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている
1
2
3
4
おすすめ記事
ハッシュタグ