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子供に「私大は無理」と伝えた…転職で「年収が200万減った」アラフォー男性の憂鬱

1年で体重が10キロ減った

 しかも、矢面に立ってくれていた部長が合併から約8か月後に退職してしまう。これにより島崎さんに対する風当たりはさらに強くなっていく。 「経費の精算も必要分しか申請していませんでしたが、一部は認めてくれず自腹で負担。遠回しに退職を勧められたことも一度や二度ではなかったです」  ここまで来ると完全な嫌がらせで、気がつくと合併後の1年で体重が10キロも減ってしまった。激務やストレスから家でも疲れた表情をしていたらしく、妻からは「無理して今の会社で働かなくていいよ。収入が下がっても私がその分働くから」と言われ、会社を離れることを決意したそうだ。

会社を辞めるも年収は200万円ダウン

 しかし、当時すでに44歳。転職先はなかなか決まらず、アルバイトをしながら職探し。ようやく1年後に今の金属部品メーカーに採用されたが、年収は580万円から380万円に激減してしまった。 「収入が200万円も下がったのは確かに辛いです。けど、あのまま働いていたら過労で倒れてもおかしくなかったし、それがなかったとしてもうつ病になっていたかもしれません。妻は文句も言わずに週3日のパートを週5日のフルタイムに増やしてくれましたが、それでも世帯年収は以前より70万円ほど少ないです。  子供に私大は無理だからと国立大に行ってもらいましたが、それでも貯金に回せるお金はわずかだし、転職前に比べると生活はカツカツです。こんなことは言いたくないですけど、会社が吸収合併したせいで人生の歯車が狂ってしまいました……」  まさに一寸先は闇。同じ会社で順調にキャリアを重ねていたとしても決して安泰ではないのだ。 <TEXT/トシタカマサ>
ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。
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