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焼肉屋が明かす「スーパーで良質な牛肉を選ぶ」簡単なコツ

徹底的にこだわるならば「個体識別番号チェック」

スーパーマーケットで買い物する女性 続いては、ちょっと手間がかかるマニアックなポイントも紹介しよう。 「和牛には、飲食店などの店舗で提供されるものであってもスーパーなどで販売されているものであっても、必ず『個体識別番号』が記載されています。個体識別番号を検索すれば、誰でもその牛がどこで生まれ、どう育ったのかを知ることができます。  見てほしいポイントは2点。まずはその牛がオス(去勢牛)かメスかということです。牛肉はメスが圧倒的に美味しいんですが、その理由は肉のキメがとても細かいから。個体が小さいので必然的にキメが細かくなるのです。さらに、メスは不飽和脂肪酸をオスよりも多く含んでいるので、口どけが全然違います。ただ、メスは市場で2割から3割くらいしか流通していません。希少価値が高いので出会えたらラッキーです」  おそらく、ほとんどの人がこれまで全く意識したことがないはずだが、そこまで味が変わるとは驚きだ。 「もう一つは、その牛の月齢です。月齢というのは何カ月間飼育されていたのかというものですが、美味しい牛肉の目安は30カ月以上です。和牛は28カ月ぐらいで出荷できるのですが、しっかり飼育されている月齢の長い牛の方が肉は美味しい。これは焼肉屋さんでも知らない人がいるかもしれませんね」

コストコや業務スーパーで美味しいタンを選ぶコツ

ブロック肉

コストコや業務スーパーなどでは肉がブロックで売られていることも(※提供写真)

 最後に、コストコや業務スーパーなどのようにブロックで売られている牛タンの美味しいものの見分け方を教えてもらった。 「お店で売られているものを触るのはあまり良くないと前置きしたうえですが、常識の範囲内で牛タンのぶつぶつがある側に少し触れてみてください。全体的に柔らかいものよりも、しっかりと硬いものを選びましょう。タンの脂身は冷えている時ほどギュッと硬くなるので、柔らかすぎるものよりも硬いものの方が脂身をたっぷり含んでいて美味しい。逆にさっぱりとしたタンが好みの人は柔らかいものを選ぶと良いですよ」  こうした肉の知識があるだけでもスーパーで同じ値段の肉の中でもより美味しいものを選ぶことができる。普段の肉選びが変わることで、おうち焼肉はもちろん、自炊の美味しさも変わるかもしれない。 <取材・文/松本果歩、編集/藤井厚年>
インタビュー・食レポ・レビュー記事・イベントレポートなどジャンルを問わず活動するフリーランスライター。コンビニを愛しすぎるあまり、OLから某コンビニ本部員となり店長を務めた経験あり。X(旧Twitter):@KA_HO_MA
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