横浜家系ラーメン「町田商店」が絶好調。“家系ブーム”が大きな後押しに
化学メーカーで研究開発を行う傍ら、経済本や決算書を読み漁ることが趣味のマネーライター・山口伸です。『日刊SPA!』では「かゆい所に手が届く」ような企業分析記事を担当しています。
さて、今回は「横浜家系ラーメン 町田商店」でお馴染みの株式会社ギフトホールディングスの業績について紹介したいと思います。
“家系”はかつてよりラーメン好きの間では知られていたものの特に近年、街中では「横浜家系ラーメン」を掲げる店舗が増えてきた印象があります。調べてみるとギフトHDがチェーン展開する店舗であり、コロナ禍でも著しく店舗数を増やし続けているようです。そんな同社の沿革と、家系を一般向けに定着させた功績について見ていきたいと思います。
「家系ラーメン」という単語はよく聞かれますが、具体的な意味について知らない方も多いかと思います。ちなみに家系と横浜家系は同義です。明確な定義はありませんが、家系は豚骨醤油ベースのスープと太いストレート麺を基本としており、チャーシューやホウレンソウ、海苔という具の組み合わせが一般的です。トッピングで味玉を付けることも多いでしょう。濃い醤油味のスープはライスとの相性が抜群で、ご飯を無料にしている店舗もあります。
そもそも家系は1974年に吉村実氏が創業した「吉村家」が発祥です。暖簾分けという形で同様のラーメンを提供する「○○家」という名前の店舗が増えたことから、家系と呼ばれるようになりました。
家系の中にも様々なジャンルがあり、吉村家の流れをくむ“直系”のほか、関係性はないものの同様のラーメンを提供する“独立系”も存在します。大手チェーンが展開する家系ラーメン屋は“資本系”と呼ばれ、ギフトHDの「町田商店」も資本系のトップとして知られています。ちなみに資本系を家系とは認めないコアな家系マニアも存在するようです。
資本系として位置づけられるギフトHDも、もともとは2008年に創業した個人事業の「町田商店」として始まりました。翌年に法人化した後、2010年からはプロデュース事業を始めます。町田商店には本部が運営する「直営店」と「プロデュース店(PD店)」があり、後者は実質的なFC店ですが、仕組みはやや異なります。
同社は一般的なFCチェーンのようにPD店からは加盟料やロイヤリティを取らず、代わりに麺・スープなどをPD店に買わせることで本部が収入を得る仕組みをとっています。PD店では町田商店の屋号を使う必要が無く、「横浜家系ラーメン ○○家」のように独自の名前を使うことも可能なようです。
なお、ギフトHDでは町田商店のほか二郎系ラーメンの「豚山」などを展開していますが、町田商店が直営店の7割を占めており、PD店も多くが町田商店系列と見られます。店舗数ではPD店がグループ全体の7~8割を占めます。
同社は町田商店系列のPD店を増やしながら成長を続け、2018年に東証マザーズに上場し2020年には一部上場へと鞍替えしました。上場以前の店舗数推移は公開されていませんが、2016/10期末の355店舗から2020/10期には618店舗(直営150・PD468)となっており、コロナ禍以前の5年間で著しく拡大していることが分かります。全社売上高の推移を見ていくと、2015/10期は18.7億円でしたが翌年には45.4億円となり、2020/10期には100億円を突破しました。
横浜家系は“直系”・“独立系”・“資本系”に分類される
PD店とFC店の違いは?
経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 Twitter:@shin_yamaguchi_
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