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資産1億円でFIREした投資家が伝授する「新NISAで老後2,000万円問題をクリアする方法」

値上がり期待の銘柄はむしろ特定口座がいい

 新NISAを使い、より値上がりが期待できる成長株への投資を考えていた人もいるだろう。ただ、桶井氏は「無配の成長株への投資は特定口座がいい」と続ける。 「万が一損失が出た場合に、損益通算や繰越控除が使えるからです。一方、増配株なら基本的には増収増益しているはずなので、配当金の増加と株価の上昇という、二兎を追う投資になると思います」  そこで気になるのが、投資すべき銘柄選びやポートフォリオのバランスだ。桶井氏は、「暴落や減配のリスクを減らすためにも、ポートフォリオは均等分散がいい」と話す。 「例えば1200万円を20銘柄に分散投資すれば、1銘柄あたり60万円です。たとえ1銘柄が暴落して株価が半分になっても、全体では2.5%の損失にすぎません。高配当株に特化していれば、その程度の損失は配当金がカバーしてくれるでしょう」

計画的に増配すれば高い利回りを得られる

『マネー(得)捜本部』図2

【図2】もし1200万円を8銘柄(各150万円)で埋めた場合…。非課税の配当金が計41万3455円→これが毎年増え続ける!?

「仮に1200万円の枠を8つの高配当株で埋めると、配当金は41万円超。この計算では配当利回りが約3.4‌4%ですが、長期投資すれば配当金はどんどん増えていくでしょう。例えば、KDDIの株を10年前に買っていたら、今の配当利回りはどれくらいだと思いますか? KDDIの’13年の株価は1720円程度だったので、’23年度の配当金予想140円で計算すれば、なんと約8%にもなります」  もちろん減配する可能性もあるが、今後も同じように増配すれば、10年後には相当高い配当利回りを得られる。 「同じように10年前に買っていた場合、NTTなら約9.7%、三菱商事は約11.7%、東京海上は11.1%、積水ハウスは約8.2%になります。この上昇率を非課税で享受できるのだから、新NISAを使わない手はない」  新制度開始まであと半年弱。十分に戦略を練っておきたい。 『マネー(得)捜本部』桶井 道氏【桶井 道氏 個人投資家/物書き】 投資歴24年。’20年秋に資産1億円とともに早期退職。著書『月20万円の不労所得を手に入れる! おけいどん式ほったらかし米国ETF入門』(宝島社)など 文/アケミン プロフィールイラスト/西田ヒロコ
週刊SPA!をはじめエンタメからビジネスまで執筆。Twitter :@AkeMin_desu
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