ライフ

“極厚”にこだわる牛たん専門店「3000円超えの定食から売れていく」納得の理由

3,000円超えの牛たん定食から完売。その人気の秘訣とは

 数多くのメニューがあるうち、売り切れ必死なのが3,000円台の定食だ。 「定食で3,000円……」という、庶民にはお高く感じてしまう値段設定にもかかわらず、どうして一番人気を誇っているのだろうか。  古山さんは「自分へご褒美を送りたい、ちょっとした贅沢を味わいたいという需要に応えることができているから」だと述べる。 「牛たんの厚さにこだわった特上たん、上たん、低温調理を施した赤身たんの3種を食べ比べすることができる『超極厚切三種盛定食』は、牛タンの質や量を落とさず、厚さも減らさずに、とことん妥協せずに突き詰めていった結果、3,300円という価格に落ち着きました。  定食としては高い値段かもしれませんが、原価率はかなりかけていて、お客様の高い期待値にも応えられるメニューに仕上がっていると思います。中途半端にやるぐらいなら、牛たんの美味しさを極限まで追求し、お客様に満足してもらった方がいいと考え、3,000円台の定食メニューを用意したんです」  世の中のニーズとしても、コロナ禍で外食機会が減ったことで、「たまに出かける外食で失敗したくない」というマインドを持つ人が増え、1回の食事にかける金額が高くなっている。  このような社会的背景も相まって、牛たん けやきの提供する3,000円台の牛たん定食から売れていくのだろう。

新たな牛たんブームを巻き起こし、ブランド認知を高めたい

麻布十番店

2023年7月、都内初出店となった「牛たん けやき 麻布十番店」

 2023年7月に開店した麻布十番店は、都内初出店となっており、これを皮切りに都内で数店舗を出店する計画も立てているとのこと。 「高価格帯の牛たん定食を主軸にする以上、この価格に見合う場所や昼夜を通して人流があるエリアに出店しなければならないでしょう。まずは、麻布十番店で認知度を高め、新たな牛たんブームを巻き起こしたい。そう考えています。そして、将来的には海外も視野に入れつつ、『厚切りの牛たんを食べるなら“けやき”だよね』と言われるように、ブランド価値を作っていければと思っています」  牛たん けやきには、家族連れや女性同士のグループ、おひとりさまなど、大人数ではなく少人数の利用が多いという。  本格的な仙台牛たんを手頃に食べられる嬉しさ、食べた瞬間の美味しさや感動。そうした“心ときめく”ような食体験を創出する、牛たん けやきのさらなる飛躍に注目だ。 <取材・文・撮影(人物)/古田島大介>
1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている
1
2
3
おすすめ記事
ハッシュタグ