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「1時間前に出社させようとする」VS「当日のドタキャンは当たり前」街頭調査で集まったZ世代と中年世代の悲痛な声

自己中心的な振る舞いで会社に迷惑をかける、効率重視に周囲を巻き込むetc.――若手世代に潜むモンスター社員により、社内を支える中年社員は危機に……。そこで、サラリーマンの街新橋で、20代の若者世代、50代の中年世代に「あなたの会社のモンスター社員」について街頭調査を実施した結果、Z世代からは「古い価値観を押し付けてくる」、中年世代からは「当日のドタキャンが当たり前」など悲痛な声が集まった。

ドライなZ世代とウェットを好む中年世代

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※写真はイメージ

精神科医の春日武彦氏は求める振る舞いの差について指摘する。 「中年世代は『察する』『気配り』『馴れ合い』など、感情的にウェットな振る舞いにこそ心地よさを感じ、創造性が生まれると考えています。つまり、ウェットな対人関係に豊かさを見い出しているのです。ところが、Z世代はこうしたものを無意味、無駄、非効率と捉えるドライさを対人関係に求めているのです」 同じく精神科医のゆうきゆう氏もZ世代の特徴について「コミュニケーションにおける機微を理解するのが難しく、『空気を読む』のが困難」と語る。 「特に人の表情を読むのが苦手で、明文化されたルールがあると安心しやすい傾向があります。どうしても守ってほしい何かがあれば、ルールとして決めてしまうのがお互いにとって一番ではないでしょうか。それに納得できなければやめてしまうかもしれませんが……」

Z世代はパラレルワールドの住人!?

モンスター社員と出会ってしまったら、どのように心を健康に保てばいいのだろうか? 「一歩引いて『ああ、あの発言で、自分がバカにされたと感じてしまったなぁ』と、自分の気持ちを、小説のように描写してみてください。または『なるほど、今回のゲームステージは、こういう(Z世代という)キャラクターとプレイするんだ』というように考えるのも有効です。何であっても、一歩引いた視点で、リラックスして現実に接してみることが大切です」(ゆうき氏) 「同じ世界線上で捉えないこと」が上手く付き合うコツだと春日氏も続ける。 「中年世代から見れば、Z世代は根本的に思考や文化が違う。同じ会社で働き、同じものを食べて、同じ言葉を話していますが、実はパラレルワールドの住人なのです。中年世代と似ているがまったく異なる。彼らをZ世代と捉えるから腹も立つ。外国人だと思えば、振る舞いや文化が違うのも当然だし、失礼とも思わないでしょう」 日本語が通じる、それだけで互いに満足するべきなのかもしれない。
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Z世代社員の悲痛な声
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