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「日本にいたい」と涙ぐむ子供たち。在留資格の特例からこぼれた子の苦悩

家族全員が「働くこと禁止」

他のクルドの少女は、現在中学2年生で、そろそろ受験のことも考えないといけない。妹が日本生まれで小学生なので今回の資格に該当するが、まだ入管から連絡が来ないので不安を感じている。 「他の家族がビザの準備ため在学証明書を持ってくるように入管に呼ばれたが、その場ではビザが出ず、出たら電話すると言われたらしい。さらに、家族に在留資格が出る可能性は80%と言われたと聞いて不安になった。妹にビザが出ても、もしかしたら私にはビザが出ないかもしれない。 将来は留学したい、でも大学はお金が凄くかかるから、ビザが出て働くことができれば叶うと思う。将来は色々な国に行ってみたい。特にアメリカ行ってみたい。昨年、特定活動ビザを家族全員が取られてしまって、当時2歳の妹が39度の熱を出しても、保険証も失ったから病院に連れていけなかった。入管がどれだけ酷いのかわかった。日本人と同じ病院に生まれたのに、なぜうちの妹だけ?と思った……」
議員たち

院内集会に参加した議員たちも

偽造パスポートでも排除されない難民条約

中東系の高校1年生の少女は日本生まれだが、父親が偽造パスポートで入国しているため該当するのは難しい。しかし、日本も加入している難民条約では、母国で迫害を受けた人が偽装で入国しようが、それを理由に排除してはならない。命の危険などで、やむをえず偽造して国を脱出することがあるからだ。 また親の状況により子供がビザが出ないという件には、弁護士たちも非常に不満に感じている。 「私は一万人に一人と言われる難病にかかっています。ビザがなく保険証がないので、今までで治療費が700万円かかっています。この病気は治ることはなくたびたび手術をしています。最近はまた体調が思わしくなく、呼吸が苦しく吐き気を催しています。これはまた手術が必要だと思っています」 彼女は日本国籍を取ることが夢で、母国に帰るくらいなら死んだほうがましだとさえ考えている。
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「自分の故郷は日本です」
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おだあさひ●Twitter ID:@freeasahi。外国人支援団体「編む夢企画」主宰。著書に『となりの難民――日本が認めない99%の人たちのSOS』(旬報社)、入管収容所の実態をマンガで描いた『ある日の入管』(扶桑社)

ある日の入管~外国人収容施設は“生き地獄”~

非人道的な入管の実態をマンガでリポート!


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