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谷村新司さんが「大衆から愛され続けた要因」。“孤独”を歌い続けた男の「偉大な功績」を振り返る

ラジオ本ブームの先達に

谷村新司さん 谷村新司の『セイ!ヤング』のギャグ投稿コーナー「天才秀才ばか」は何冊も書籍化されて、大ベストセラーとなった。これは、ビートたけしのオールナイトニッポンのラジオ本「幸せ」シリーズより5年も早く出版されており、ラジオ本ブームの先達となった。  また、萩本欽一のテレビ番組『金ちゃんのどこまでやるの?』のコーナー「良い子悪い子普通の子」は明らかに、「天才秀才ばか」からアイディアを拝借した3段オチの笑いだった。80年代に「天下を取った」この2人の前を走ったことは、よくよく考えると凄いことだ。

ビニ本を5千冊を所蔵していた一面も

 そんな谷村新司には、昔からある噂があった。自宅にビニ本を5千冊所蔵しているというのだ。ビニ本とは、ビニール本の略で、80年代に大流行した小さな出版社が作っていたエロ本のこと。大手出版社のものより、陰部の修正が非常にきわどく、過激な内容だった。ビニールに包まれていて、専門店か自動販売機でしか買うことができなかった。  その噂について、谷村自身が近年、ラジオで語ったところによると、自分は「買い手側」ではなく「売り手側」の立場的にいたので、自然に所蔵するビニ本が増えてしまったのだそう。
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「孤独」が大きなテーマだった谷村新司の歌詞
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1968年生まれ。構成作家。『電気グルーヴのオールナイトニッポン』をはじめ『ピエール瀧のしょんないTV』などを担当。週刊SPA!にて読者投稿コーナー『バカはサイレンで泣く』、KAMINOGEにて『自己投影観戦記~できれば強くなりたかった~』を連載中。ツイッター @mo_shiina

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