アベノマスクは「デザインがダサイ」! 追加配布騒動で波紋
文/椎名基樹
コロナで中断されていたプレミアリーグが再開された時、アーセナルの選手がアディダスのマークが入ったマスクをして、バスから降りて来る姿がカッコよくて、めちゃくちゃそのマスクが欲しくなった。早速、海外ファッション通販サイト「BUYMA」で注文した。割高だし入手まで時間がかかるけどとにかく欲しい。
2万枚を即日完売したという「ミズノ(MIZUNO)」のマスクが再発売され、ネット予約に申し込んだが、落選してしまった。GAPもマスクの発売を始めた。発表から、ちょっと遅れて最寄りの店舗に行ってみたが、完売していた。ジャーナルスタンダード、ユナイテッドアローズにも行ってみたが軒並みマスクは売り切れていた。
アディダスのマスクが届いたにもかかわらず、相変わらずネットでかっこいいマスクを探してしまう習慣は改まらない。「感染防止」の本分はすっかり忘れてしまい、マスクそのものに興味がいってしまい、本末転倒も甚だしい。でも欲しい物ができて、それをスマホでネットを掘りまくるのって楽しい。
アベノマスクが追加配布されることが決定して、波紋を呼んだ(※)。そのことを話題に取り上げた「バイキング」(フジテレビ系)でヒロミが「あのデザイン何とかならないのか」と発言した。他の出演者は冗談だと受け止め、皆から笑いが漏れた。
(※編集部注:7月31日、希望施設にのみ配布し、残りは備蓄する方針に変更した)
しかし事の核心は、まさにそこにあると、私は“アホノマスク”と揶揄された、この政策が発表された当初から思っていた。問題はマスクをプレゼントするという政策そのものにあったわけではなく、送られてくるマスクのダサさにある。「あんなダセーマスクをして表を歩けるか」と皆思ったのだ。
そもそも、記者会見の時などでも、アベノマスクを使用していたのは安倍首相1人だけで、周りの議員たちですら使っていなかった。「親分がつけているんだから協力したれよ!」と思った。アベノマスクの不評の声が強まるにつれ1人2人、使用する議員も見られるようになったけれど。議員のおじさんたちですら「あのマスクはちょっと……」と思っていたのだろうか?
もし、送られてくるマスクがユニクロのエアリズムマスクだったら、「安倍ちゃん気が利くじゃん」と人気を高める結果になったかもしれない。
「あんなダセーマスクをして表を歩けるか」と皆思った
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1968年生まれ。構成作家。『電気グルーヴのオールナイトニッポン』をはじめ『ピエール瀧のしょんないTV』などを担当。週刊SPA!にて読者投稿コーナー『バカはサイレンで泣く』、KAMINOGEにて『自己投影観戦記~できれば強くなりたかった~』を連載中。ツイッター @mo_shiina
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