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小池百合子はカタカナ英語がお好き!?「ウィズ コロナ」「東京アラート」って…

文/椎名基樹

「ウィズ コロナ宣言」って言われても……

 小池百合子東京都知事が5月29日「ウィズ コロナ宣言」をした。「ウィズ 〇〇」と言われるとどうしても「ブルゾンちえみ with B」を思い出してしまう。もしくは、まるでコロナビールのCMコピーのように感じる。「いつもあなたの楽しみとともにコロナビール」みたいな。
小池ゆりこ オフィシャルサイト

「小池ゆりこ オフィシャルサイト」より

「ウィズ コロナ宣言」とは「コロナと共に生き、新しい日常を作る」ことを覚悟することらしい。「共に生きる」と言うニュアンスだと永遠、もしくは相当長い期間を私は想像するけれど…… 。仮に1年だとしても「ウィズ コロナ」の状態では、オリンピックは開催できないと思うのだが……。それにしても「今我慢していれば必ず元の日常が取り戻せますよ」ではなく、私たちは「新しい日常」を甘受していかなければならないのか。私たちは、既にディストピアに暮らしていたのだ。  さらに現在は「東京アラート」とかいうのが発令されているらしい。東京駅で買える新しいお土産銘菓かと思ったら、新型コロナウィルスへのさらなる警戒を促しているってだけだって。レインボーブリッジが赤くライトアップされ都民に注意を喚起するとか。それを撮影してインスタにアップしたいがために、人が集まっちゃったりして。  小池百合子都知事のカタカナ英語だらけで、キャッチフレーズ主義の記者会見は賛否両論を呼んでいるようだ。バイリンガルの河野太郎防衛相は、自身のツイッターで「クラスター」=「集団感染」「オーバーシュート」=「感染爆発」「ロックダウン」=「都市封鎖」「なんでカタカナ?」とつぶやいた。「オーバーシュート」はそもそも「感染爆発」を意味しないらしい。  コロナ関連のカタカナ英語で、私が最も違和感を感じるのは「ロードマップ」=「行程表」だ。ビジネス用語らしいが、抽象概念ですらないものをカタカナ英語で言う必要ある?「明日から夏休みだ。有意義に過ごせるよう必ずロードマップを作るよーに! いいですか!」「はーい! 」(小学生が手を挙げて)。  そもそも、小池都知事のカタカナ英語好きは、コロナ騒動以前からたびたび話題になっていた。都知事に就任した時の所信表明に出てきたカタカナ英語を並べるだけでも結構面白い。「都民ファースト」「ワイズ・スペンディング」「改革マインド」「サスティナブル」「ライフ・ワーク・バランス」「ソーシャルファーム」。いっこも意味がわかんねえ。

政党の名前もカタカナ英語で

 件の「ウィズ コロナ」という言葉は、慶應義塾大学環境情報学部教授でヤフー株式会社 CSOの安宅和人の造語らしい。コロナ騒動が起こってすぐに、高見の見物を決め込んだ学者たちが「アフターコロナ」「ポストコロナ」なる言葉を持ち出して、今後の社会の有り様を予測することで、言論界の場所取りを始めた。文系学者にとって今回のような非常事態は、自らの存在を誇示する鉄火場らしい。「ポストコロナ」をさらに進めた思考として安宅和人が提示したのが「ウィズコロナ」である。彼は言う。「ウィズコロナ下の社会では、満員電車に乗せるような企業はコロナブラックとされる。企業はコロナホワイトを目指さなければならない」。コロナブラック(!)。彼もまたなかなかのキャッチフレーズ主義者だ。私は今まで圧倒的に雇う側が強かった労使関係がそう簡単に変わるとは思えないのだが。偉い先生がそういうのだからきっと満員電車はなくなるのだろう。やったねバラ色の未来じゃん。  小池都知事だけでなくコロナ騒動の中ではカタカナ英語が飛び交っていた。「大阪では医療崩壊が起きている」と大村愛知県知事が指摘し、吉村大阪府知事は「そういう事実は無い。エビデンスを提示しろ」と反論した。「クラスター」「パンデミック」のような、日本語訳にすると熟語が複合する言葉なら、英語表現してもまだわかるが「エビデンス」って「証拠」でしょ? 日本語で言うほうがよっぽど楽でわかりやすいよ。  しかし時代は議論の中でカタカナ英語を使うことがトレンドであり、駆使しなければ不利になるらしい。そこで私はひらめいた。「小池都知事や吉村府知事を総理大臣に」なんて声もあるみたいなので、政権を狙える巨大野党を編成できたら、政党の名前はカタカナ英語が良いのではないか?  次に政権を奪取することができる政党は、必ずポピュリズムの手法を利用するはずだ。世界初のポピュリズム政党がアメリカの人民党だと言う。日本語で「人民党」と言うと左派の色合いが強すぎて選挙で戦えないように思える。そこで「ピープル党」というのはどうだろう? ひっくり返せば「パーティーピーポー」! なんか「ポンッ! ポンッ!」と小気味よく何でも決定してくれそうではないか。それとも「国民ファース党」、いや小池都知事はカイロ大学出身なので「エジプ党」1968年生まれ。構成作家。『電気グルーヴのオールナイトニッポン』をはじめ『ピエール瀧のしょんないTV』などを担当。週刊SPA!にて読者投稿コーナー『バカはサイレンで泣く』、KAMINOGEにて『自己投影観戦記~できれば強くなりたかった~』を連載中
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