更新日:2023年11月13日 16:44
仕事

フレッシュネスバーガーが「作り置きをしない」理由。以前は「3時間かけてケーキを焼いていた」ことも

バイトから店長に。現場を知るからこそ伝わることも

フレッシュネスバーガー

齋藤健太朗氏

——顧客としては嬉しい話ですが、人材不足の現代では採用も教育も大変ではないですか? 齋藤:確かに、ほかのバーガーチェーンと比べれば“一人前”になるまでの教育時間はかかっているはずです。新商品のレシピを導入するときも「(調理に)ここまで手間をかけるの!?」と、現場から声が出ることも……。ただ、私がアルバイトとしてフレッシュネスに入り、店長としても現場に立ってきた人間でもあるので、「齋藤ができると言うならできるのだろう」と捉えてもらえるようです。 ——現場からの叩き上げでいらっしゃったんですね。 齋藤:学生時代、バイト先の先輩が「独立してフレッシュネスのオーナーになる」と言い始めたのです。フレッシュネスの創業は1992年ですが、この話は90年代末頃のこと。店舗数もまだ少ない時代で、埼玉出身の私にとっては知らないお店でした。バーガー好きの私としては、どんな店なのだろうと行ってみると、「ネギミソバーガー」(※現在は未販売)といった聞いたことのないメニューがあって度肝を抜かれました。しかも物珍しいだけでなくおいしかった。アルバイトとして入ったのはそのような経緯からです。実際、非常にやりがいを感じ、のちに、正社員として入社を決めました。

現在の親会社になって“本来の姿”に

——では、2度のM&Aも目の当たりにされてきたのですね。社風の変化などはありましたか? 齋藤:正直に申し上げますと、1度目のM&Aの後、経営が創業者の手から離れてからはコンセプトが弱った時期がありました。「これ嫌いな人もいるでしょ」と、商品ラインナップも守りに入ってしまい、いい意味での“トガり”が失われていたかと感じます。  しかし、現在の親会社であるコロワイドは、外食のスペシャリストチーム。むしろ「“自分たちが食べたいもの”をしっかり出していこうよ」という空気があるのです。サルサバーガーをさらに辛くリニューアルするなど、本来の“トガった”フレッシュネスバーガーに回帰できました。 ——昨年で創業30年。長きにわたりコンセプトを保てた秘訣はなんでしょうか。 齋藤:各オーナー様のおかげですね。フレッシュネスはフランチャイズ店舗が約6割となっていますが、ほとんどのオーナーが専業でお店を運営されています。ビジネス性が前面に来るのではなく、いずれも「町のハンバーガー屋のおやじ」といった方ばかり。だからこそフレッシュネスにおいて大切にしていきたいことは、現場から強くプッシュし続けてもらえている、そう感じています。
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看板商品の味付けを変えた理由は…
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コンビニで買えるビール類はほぼ全制覇しています。本は紙派。さらに調味料と服とスペースエイジ系のインテリアを収集しているため、収納不足に陥りがちです。好きな検索ワードは「備忘録」
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