113キロから「10ヶ月で53キロ減量した」30代男性。秘訣は「食事の改善と毎日のウォーキングだけ」
過度にストレスフルな状況下にさらされた人間が取る行動は驚くほど似ている。
不眠または過眠。過食または食欲不振。ギャンブルや色欲に溺れるか、酒に飲まれるか。こうした問題を同時に抱えるうちに、傍目にもわかりやすい変化が起こる。極端に痩せこけていくか、急激に太ってしまうのだ。
現在、月刊誌の編集長を2誌掛け持っている建部博氏(39歳)も例外ではなかった。仕事に邁進していたからこその出世であるが、自ら課していたストロングスタイルの労働に体は悲鳴を上げていた。昇進前、体重計が指した最大値はなんと113キロ。25以上で肥満とされるBMI値が41.5にのぼったのだから、いかに「巨漢」であったことか。
そんな氏だが、昇格とともにダイエットを開始すると、わずか10ヶ月で-50キロ超の減量に成功。さらに「紙の時代の終焉」が叫ばれる昨今、赤字から黒字へのV字回復をも同時に成し遂げたのだ。
ダイエットと仕事。片方だけでも難題のこの二兎を、いかにして捕らえたのだろう。秘策を探るべく、当時についてざっくばらんに語ってもらった。
——『MONOQLO』では編集長、『家電批評』(いずれも晋遊舎刊)では統括編集長を務めていらっしゃいますが、編集長に就任されたのはいつだったのでしょう。
建部博氏(以下、建部):2021年の4月付けで『家電批評』、その翌々年から『MONOQLO』の編集長も兼任することになりました。まだまだ悩みの種はありますが、『家電批評』は他の編集長に任せられるようになるなど、大幅なテコ入れは自らのダイエットと同じく、ひと段落したかと思います。
——今や順風満帆そのものですよね。けれど、就任直前には「事件」があったとか。
建部:当時の体重が物語るように、惨憺たる生活習慣を長年続けていました。昇進の打診を受けたのと時を同じくして限界も訪れたようで、会社の非常階段で倒れてしまったんです。そのまま3〜4日寝込み、「あ、死ぬな」と。今ではすっかり元気ですが、さながら臨死体験でした。
——大事とならなくてなによりです。ただ、会社や家族の方から心配されたのでは。
建部:はい、心配も迷惑もかけてしまいました。ただ、腹を括るきっかけになったのも事実ですね。回復後の面談で、ダイエットを主軸とした健康面の改善と、編集長となる覚悟を表明し……今に至ります。
——改善以前はどのような生活を送られていたのでしょうか。
建部:編集者たるもの「人と顔を突き合わせて飲み食いすべし」と、平日は毎日会食の予定を入れていましたし、会社には長時間いるほどよいとも思っていました。誰に言われるでもなく、ひとりで昭和を引きずっていたんですね。がむしゃらに仕事をするのだけれど、健康面はなおざり。ストレスの捌け口は食や酒に頼りきりで、気づけば1日の摂取カロリーが3000kcalを優に超えるようになっていました。
——具体的にはどのような食生活だったのですか。
建部:仕事の合間には昼夜ラーメンのようなジャンクフードを食べ、退勤後には会食。帰宅しても、妻が家族用に作ってくれた夕食だけでは飽き足らず、カップラーメンなども追加して晩酌していました。休肝日はなく、運動はゼロ。絵に描いたような不摂生でした。
昇進の打診を受けたタイミングで「限界」が…
「絵に描いたような不摂生」がやめられなかった
コンビニで買えるビール類はほぼ全制覇しています。本は紙派。さらに調味料と服とスペースエイジ系のインテリアを収集しているため、収納不足に陥りがちです。好きな検索ワードは「備忘録」
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