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ワンマン社長に尽くして20年…悩める40代男性の後悔「イエスマンも、もう限界」

―[モンスター上司]―
 ひとつの職場で長く働くためには、協調性を持つことも大切だし、ときにはイエスマンを演じなければならないこともあるだろう。けれど、そういったことばかりに注力していると、サラリーマンの久住信二さん(仮名・40代)のように後悔することになるかもしれない。
パワハラ上司

※画像はイメージです

 高校を卒業し、地元の企業に就職した久住さん。入社してから20年以上、ずっと同じ会社で働き、そして尽くしてきた自負がある。先代が一代で築き上げたその会社は、売上も順調だった。その後、久住さんが入社して数年が経った頃、大学を中退した社長の息子が入社。

社長の息子が「僕を子分扱い」

「僕のほうが年下でしたが、ほかに歳の近い社員がいなかったこともあり、社長から直々に教育係のようなものを頼まれました。社長の息子Hは、歳の近い僕と仲良くはしてくれましたが、まるで親分と子分。もちろん、僕は子分側でした」  社長が溺愛しているHは、ずる賢くいいように立ち回っているような状態。そのため、久住さんはニコニコして話を聞き、イエスマンを演じるしかなかったのだ。2人とも機嫌がよく、久住さんの給料や待遇も面白いぐらいよくなっていったとか。 「実際のところ、それに甘えてしまった自分がいちばん悪いです。何度か自分を戒めようと、Hに勤務態度や言葉づかいについて注意をしたことはありましたが、そのたびに社長が直々に僕のミスを大事のように指摘するということが続きました。そして、察したのです」

ついにHが社長になる

 久住さんは「自分に与えられた仕事は、ビジネス上のスキルなどではなく、従順な社員でいることなのだと察しました」と話す。そのことに気付いてからはわずかな抵抗も諦め、Hの機嫌をとることに集中。宴会で腹おどりや女装を命じられ、応じたこともあるという。 「気づいたときには、クライアントへの対応や謝罪、話し相手や接待ばかりが自分の仕事になっていたのです。そして、ついに社長が役員となり、Hが社長になりました。それでも前社長が役員でいるうちはHもまだおとなしかったです」  けれど、2年前に実質的な権限を握っていた前社長が体力的なことを理由に引退すると、Hはワンマン社長ぶりを発揮。大きな契約や人事も、すべて気分次第で決めてしまうことが続いた。久住さんいわく「やり方も汚い」とのこと。
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“イエスマン”も、もう限界
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ワクワクを求めて全国徘徊中。幽霊と宇宙人の存在に怯えながらも、都市伝説には興味津々。さまざまな分野を取材したいと考え、常にネタを探し続けるフリーライター。Twitter:@natukawanatumi5
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