仕事

ワンマン社長に尽くして20年…悩める40代男性の後悔「イエスマンも、もう限界」

“イエスマン”も、もう限界

「長く仕えていた人でも、H社長に反する意見を出すことが続けば、なんだかんだ理由を付けて仕事をする気力を奪ったり、問題にしないような人はクビにしたりと理不尽なことが続いています。そんなことだから当然、経営もボロボロ。業績も傾いています」  経営手腕はあったものの、息子を溺愛するあまり久住さんをイエスマンに仕立て上げた社長は、長年連れ添った奥様と別荘地で悠々自適な生活を送っている。若かりし頃に苦労しながら築き上げた自分の会社が、息子の手によって壊滅的な状況にあるとは知らないようだ。 「H社長とはつかず離れず、会社での自分の立場が悪くならないよう“イエスマン”でやってきましたが、もう限界です。最近では業績の悪化まで僕のせにされています。でも僕は、いま結婚12年目で住宅ローンもあり、子供は私立の学校に通学中です」

資格や実績は何もない

いろんな資格 将来お金もかかるため、久住さんは「会社での立場が悪くなるようなことはできない」とぼやく。ただ、この2年で業績は悪化。定年退職者も含め、真面目な社員もどんどんと辞めていき、10年以上働いている人間は久住さんだけになってしまった。 「同じ会社で20年以上という長い年月働いてきましたが、僕がこれまでにやってきたことは、前社長やH社長、そしてクライアントの機嫌をとり、職場のイザコザがあったときにやんわりと解決をするといったことばかり。資格や実績は、何もありません」  転職も頭にチラつくが、資格や実績を持たない40歳を過ぎての転職は想像以上に難しかった。面接まで漕ぎつけたこともあったが、面接官からは「資格や誇れる実績のひとつやふたつぐらいあるでしょう。その歳なんだから」と言われたこともある。
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ラクした結果、転職は厳しい
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ワクワクを求めて全国徘徊中。幽霊と宇宙人の存在に怯えながらも、都市伝説には興味津々。さまざまな分野を取材したいと考え、常にネタを探し続けるフリーライター。Xアカウント:@natukawanatumi5

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