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バン仲村46歳の野望と“意外な素顔”「需要がなくなったらいつ消えてもいい」

いつか政治家になって農業を救いたい

バン仲村

「あんたでもいいよ」は、BreakingDownのCEO(当時)に試合を挑んだときに発したセリフ

 現在はケンカバトルロワイアルの主催、実業家としても活躍するバンさんのキャリア観には、2つの大きな出来事が影響を与えている。父親の死と、傷害罪での逮捕だ。 「実家は山梨のぶどう農家で、父親は農業に従事していた。『若い頃の苦労は買ってでもしろ』と、よく言っていて、幼いながら仕事に精を出すかっこいい大人だと尊敬の念を抱いていたんだ。でも19歳のときに心筋梗塞で急死してしまって。広い畑を持っていたのが、働き手がいなくなって学費に困窮したから俺がぶどう農家を継ぐことに。  そのときは農作業と勉強に追われていて、とにかく苦しい日々だった。農業って大変さに比べて収入が見合わないんだよね。1年間、死に物狂いで働いても、数百万円にしかならないし、すぐ学費に消えていく。いつか政治家になってこの業界を救いたいなぁなんて思っているよ

瓜田純士傷害事件で知った「転び方」の大事さ

バン仲村

「農業はツラかったですが、当時の経験が今、頑張る糧になっています」(バンさん)

 農業を経て、自分のやりたいことを軸に複数の事業を立ち上げたバンさん。仕事が軌道に乗っていたころに知り合ったのが元ヤクザの総合格闘家・瓜田純士さんだった。2人は親友のような間柄になったが、あることが原因で仲たがいし、バンさんが瓜田さんをボコボコにする傷害事件にまで発展した。  BreakingDownでも話題になった2人の因縁。当時はバンさんに逮捕状が出たものの、2週間以上留置された後に、嫌疑不十分で釈放された。 「結果的に疑いは晴れたものの、ものすごく頭にきていたね。純士この野郎と(笑)。一方で、留置されている間に、いろんなことを考えたよ。『なんでちゃんと話し合わなかったのか』『どうすれば逮捕されなかったのか』「どういう対応が最善だったのか』と……内省する毎日だったね」  その中で見えてきたのは「転び方の大切さ」だった。 「当時の俺のように、人生につまずいて腐る人もたくさんいる。でも、転び方さえ間違えなければ、何度でも立ち上がれる。よくビジネス書や哲学書を手に取るんだけど、失敗談を積極的に読んで参考にするようにしているよ。どうすればここから立ち上がれるのかを考えると、世の中で求められる自分の像を俯瞰できるようになるから。留置されてムカついたけれど、転がり落ちず立ち上がる方法を考える前向きなきっかけだったと捉えているよ」
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いつバン(BAN)されてもいいから「バン仲村」
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IT企業の広報兼フリーライター。元レースクイーン。よく書くテーマはキャリアや女性の働き方など。好きなお酒はレモンサワーです
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