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“銀歯”も買い取るブックオフに聞いた「意外な買い取り商品」5選

リユース市場の裾野が大きく広がった

ブックオフ

ブックオフが買い取りを行う主なジャンル

 2000年からは大型総合リユースショップ「ブックオフ中古劇場」(現 BOOKOFF SUPER BAZAAR)の出店を開始。本だけではなくCDやDVD、ゲームソフト、子供服や婦人服、スポーツ用品など、時代を追うごとにジャンルを増やしてきた。 「買い取りできるものは全て引き取り、千客万来の企業姿勢で店舗数を拡大してきたなか、スタッフのチームプレイを磨くことも徹底していました。品出しをして、売れない商品をピックアップしては値下げしたり他のものと変えたり。査定スピードも早くできるように努めるなど、お客様が気軽に店舗へ持ち込んでもらえるようにサービス品質の向上を図ってきたんです」  そんななか、2010年代にはメルカリやYahoo!オークション(ヤフオク)といったネットの2次流通サービスが盛んになった。リアル店舗を中心に展開してきたブックオフにとって、オンライン事業者とどう差別化を行ったのか。

アマゾン、メルカリの登場に衝撃

 堀内氏は「価格に関する情報の非対称性の中でビジネスをやってきたのが、アマゾンのマーケットプレイスが登場したことでオープンになったのが衝撃だった」と当時を振り返る。 「ブックオフとアマゾンで価格が比べられてしまうことが起きていましたが、アマゾンは一品ずつしか買えないのに対して、2007年に立ち上げた『ブックオフオンライン』では複数の商品を一度に買えるような仕様にしていました。また、欲しいものをすぐに買いに行くことができ、かつまとめ買いも可能なリアル店舗ならではの強みが、ビジネスを下支えしたと考えています」  そして、リユース市場の裾野を広げたのがメルカリだと堀内氏は続ける。 「メルカリの登場は、CtoC(個人間取引)の2次流通の潜在マーケットを大きく開拓し、市場全体の成長を加速させています。他方でブックオフはBtoC(企業と消費者間の取引)のビジネスを展開していて、両方を使いこなしているユーザーが多く、うまく棲み分けができていると感じています。とりわけ、2017年に私が社長に就任してからは『個店を磨き、意思を持った売り場づくり』をする方針のもと、地域によって取り扱う商品や注力する商品を変えながら店舗を運営してきました。そうした取り組みによって、2016年ごろまでは低迷していた利用客数や業績の回復につなげることができたのです」
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意外な買い取りアイテムは「昭和レトロ」
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1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている

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