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「現金500万円以上が消えた…」働き者だった店主を“酒と博打の沼”に引きずり込んだ手口が怖すぎた

大将とHはグルだった? 奈落の底へ

 大将に返済して余ったお金は、またギャンブルにつぎ込むため、借金は膨らむ一方。キャッシングなどの枠がなくなると、A子さんに内緒で自分名義の店兼自宅を借金の抵当に入れた。そして、親戚などにも借金をし続けた結果、ついにA子さんの知るところとなる。 「そして、離婚を突きつけられました。A子の両親は話を聞いて大激怒。役員を解任されました。また、店兼自宅の土地・建物は抵当に入れているので、近々住むところも失うと思います。お宅の会社だけは長い付き合いだし、返済しておこうと思ってね」  東根さんはそう力なく笑ったあと、「しかも、Hと大将はグルだったみたいでさ。カモにされたのは、ワシだけじゃないらしい。そう聞いても、面倒臭そうだから訴えるなんてしないけど」と言い、黙々と返済手続きを済ませた。  何気ない日常が、ちょっとしたキッカケで崩壊してしまうことは珍しくない。とくに、詐欺師に狙われやすい不満や愚痴などは、言わないに越したことはないだろう。
フリーライター。複数の金融業者に長く勤務。レアで波乱な人生経験を送ってきた
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