更新日:2023年12月28日 09:32
お金

「カラオケまねきねこ」が繁盛する理由。“若者の心を掴んだ”立地よりも重要なポイント

競合との差別化に苦しみ、事業を多角化

 鉄人化計画の2023年8月期のカラオケ事業は、売上高が前期比2.9%減の36億7900万円、営業利益は4.3倍の2億5000万円でした。鉄人化計画も2021年8月期からカラオケ事業で利益を出していますが、これは不採算店の退店を進めているため。カラオケ事業は2020年8月期に売上高が25.6%減少しましたが、その後も減収を続けて縮小しています。
カラオケ

鉄人化計画 カラオケ事業売上高・営業利益 ※決算短信より筆者作成

 鉄人化計画の売上高は、コロナ前と比較すると半分ほどになりました。営業利益率も10.8%から6.8%まで下がっています。  実は「カラオケの鉄人」はコロナ禍を迎える前から業績不振に悩まされており、不採算店の退店を続けていました。低価格路線の「カラオケまねきねこ」にシェアを奪われていた上、「カラオケ館」や「カラオケルーム歌広場」などとの競合店と明確な差別化を図ることができなかったのです。  鉄人化計画の売上高はほぼ100%をカラオケ事業が占めていましたが、今や60%程度まで下がりました。美容サロン「ビアンカグループ」やラーメン「直久」など、事業を多角化。カラオケ店以外の出店に注力しています。 <TEXT/不破聡>
フリーライター。大企業から中小企業まで幅広く経営支援を行った経験を活かし、経済や金融に関連する記事を執筆中。得意領域は外食、ホテル、映画・ゲームなどエンターテインメント業界
1
2
3
おすすめ記事
ハッシュタグ