地獄の訓練を乗り越えて、一生使える強メンタルを手に入れる
「素読」という訓練で、教材、管理者の心構えを声に出して読む(もちろん大声)。16個ある審査項目のひとつ
こうした厳しい訓練をすべてクリアすると晴れて卒業となる。OBでもある塩沢産業の山口英俊社長が、当時の体験を語ってくれた。
「覚悟ができていたため、逃げ出したいと思ったことはなかったですね。むしろ、何事にも全力で取り組むことで、何にも動じなくなりました」
コンプライアンスが厳しい現代においては、「時代錯誤」という声もありそうだが……。
「働いていると、どうしても課題に向き合わなければいけないことはよくあること。そこでどれだけ本気になれるかで、管理者としての資質が問われる。時代錯誤と言われるなかでも、企業からの問い合わせは途絶えません。結局、いつの時代も、一生懸命やることでしか得られない経験があるんです」(広報担当者)
肝心の受講料は36万5000円ほど。地獄の訓練を体験することで一生使える強メンタルが手に入ると考えれば、安いものか。
5時30分~ 起床
起きたら布団を綺麗に片付けて、すばやく訓練服に着替えて、日替わりの班長、副班長の交代式を行う
6時00分~ 朝礼で一人ずつスピーチ
全員が校庭に集まる。内容は班長の報告、校歌斉唱、ラジオ体操、スピーチなど。集合の列が乱れると何度もやり直す
7時00分~ 朝食・清掃
清掃は自分たちの部屋の中だけでなく外も隅々まで掃除しなければならない。合格が出るまで何度もやり直す
8時00分~ やり直しが続く訓練
ラジオ体操の練習など。動きが違ったり、声が小さければイチからやり直し。その他挨拶の練習、行進、速記など
12時00分~ 昼食・休憩
「いただきます」の声は全員で一斉に。少しでも伸ばすとやり直しさせられるため食事中も気が抜けない
13時00分~ 訓練
管理者としての基本動作10か条を暗記。500字以上を丸暗記しなければならない。その他歌唱訓練、素読など
19時00分~ 座り方を指導される夕食
ごはんやおかずの配膳の仕方はもちろんのこと、食事の姿勢や箸の使い方、椅子の座り方まで厳しく指導される
19時30分~ 報告書作成
報告したい内容を簡潔な文章で表現する。報告書の基本的な書式や書く習慣が鍛えられ、明解な表現が身につく
20時00分~ ルールがある入浴
「頭からお湯を1~2杯かぶる」など入浴の仕方にもルールがあり、入る前に全員で確認しなければならない
21時00分〜 携帯がない自由時間
忙しい一日の中での唯一の自由時間だが、携帯が使用できないため、自然に班員と対話が増え仲良くなる
22時00分~ 就寝
訓練服を脱いで班員全員で就寝。22時30分完全消灯のため、話したり電気をつけていたりすると厳しく注意される
<取材・文/週刊SPA!編集部>