更新日:2024年08月02日 12:48
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“あえて”京大進学を選んだ芸人が学生生活に絶望した出来事。「同級生が京大以外の大学のことを…」

日本の大学で唯一京大だけが東大ありき

――「京大は非関西人にとって東大の裏をかいた選択」とおっしゃっていましたが、京大生からみた東大はどのような存在なのでしょうか? 九月:実は、日本の大学で唯一京大だけが東大ありきなんですよ。それが切なさでもあり存在意義でもあるというか。たった今常識とされているもの、王道とされているものに対して、カウンター的な価値観を提示する役割があるんだと思います。だからこそ、京都っていう、政治・経済・流行の中心ではない場所にあるんだろうなって思います。東京を睨みつけるための立地なんですよ。だから、もし日本から東大が消えたら京大も同時に消えます。存在する必要がなくなりますからね。 そして、僕自身も世の中において、東大に対する京大的な存在だと考えています。大手企業で働いている京大卒がいたり、芸能事務所所属の芸人がいたりするから、その裏をかいている僕が存在できるのです。ですので、僕の活動が長いスパンをかけて王道の価値観にヒビを入れたり、世の中の常識を1ミリでも動かしたりできれば、オルタナティブとして存在意義があったということになると思っています。

これから裏をかきたいのは「GAFA」のみ

――また、九月さんがこれから裏をかきたいと思っているものはありますか? 九月:GAFAですね。GAFAです。GAFAのみです。Google、Apple、Facebook、Amazon。僕はずっとこれらに「なぜこんなにもこいつらに手のひらを転がされるのか」と怒ったり憎しんだり喜んだり楽しんだりしています。もうこれらなしには生きられない世の中になってしまいましたからね。彼らに娯楽から、教養から、交友関係から、個人情報から、生命に関わるほとんど全てを握られているのがたまらなく悔しくて。絶対に裏をかいてやりたいです。 2023年8月に初のエッセイ『走る道化、浮かぶ日常』(祥伝社)を出版したのですが、今思えば、これもGAFAへの裏かきだったかもしれません。ITがどんどん進化するなか、紙の本を出版するという形式が残っているのってあと50年もないのではないでしょうか。だからこそ、本という媒体に間に合ってよかったと思っています。このような形で、GAFAの裏をこれからもどんどんかいていきたいですね。
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今の自分に想像できることを10年後にしていたらダメ
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ライター・インタビュアー。1993年生まれ。大学卒業後に大手印刷会社、出版社勤務を経てフリーライターに。ビジネス系の取材記事とルポをメインに執筆。
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