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コンビニの“セルフレジ導入”で転職を決意した女性の怒り「ほとんど出勤できなくなって収入が激減」

 昨年末に発表された「ユーキャン2023新語・流行語大賞」に「X」や「生成AI」、「チャットGPT」などがノミネートされ、改めてIT関連用語に注目が集まっていることがうかがえる。日常生活においても、“デジタル化”が進んでいる状況を目にする機会が多くなった。身近なものでいえば、コンビニなどでのセルフレジや、飲食店での配膳ロボットなどだ。  便利になるのはうれしいことではある。その一方で、急速に進むデジタル化により「自分の仕事が奪われてしまうかも」と危機感を抱く人も……。今回は、デジタル化で転職を余儀なくされた2人のエピソードを紹介する。

パチンコ店に20年間勤務、デジタル化で楽になったはずが……

パチンコ

※写真はイメージです。以下同

 就職氷河期真っ只中に高校を卒業した泉信也さん(仮名・40代)は、約20年間パチンコ店に勤めていた。 「給与は手取りで22万円程でしたが、寮のワンルームに住み、水道光熱費は無料。1日2食の食事付きだったんです」  食事は、寮母さん手作りの家庭料理を食べられたそうで、泉さんはその待遇に満足していた。 「仕事内容は、客が大当たりした後にドル箱を交換したり、山積みになった出玉のドル箱をジェットカウンターに流したりするのがメインです。客が“連チャン”するたびに、箱を手渡して、“万発オーバー”と書かれた札を刺すなど、仕事は多岐にわたっていました」  忙しくて腰が痛くなることもあったと泉さんは振り返る。ところが、徐々に営業形態が変化し、最終的には出玉をドル箱に積むシステムが廃止された。出玉はパチンコ台のチャッカーに流し、出玉数はICカードで管理されるようになったのだ。 「これまでの業務が減り、“仕事が非常に楽になった”と喜んでいたのですが……」  デジタル化により店員の数も調整され、アルバイトの削減から始まり、泉さん自身の勤務シフトも激減した。挙句の果てには、雇用形態が正社員から非正規に降格となってしまったという。当然、待遇も悪化した。

給料が半分以下まで落ち込んだ

「無料だった寮も寮費が発生し、光熱費は1万円の負担、食事も食費として給料から天引きされるようになりました」と嘆く泉さん。  気がつけば、給料は手取り10万8000円にまで落ち込んだ。そして、ついにリストラの対象となってしまう。 「体力には自信があったので、昔の営業形態なら、リストラ対象にはならなかったはずです。デジタル化で世の中は便利になりましたが、それにより仕事を失うことになるとは思ってもみませんでした」  その後、パチンコ店を辞め、デジタル化の影響が少ない介護・看護職に転職を決意。そして現在、猛勉強の末に合格し、新たな道を歩いている。
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2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。

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