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コンビニの“セルフレジ導入”で転職を決意した女性の怒り「ほとんど出勤できなくなって収入が激減」

コンビニのセルフレジ導入で勤務環境が急転

セルフレジ 結婚と出産を経験し、家庭を優先したいと考えていた佐々木六華さん(仮名・20代)は、週に2~3日の時短勤務ができる小売店で、レジ打ちと品出しのパートをしていた。 「固定勤務ではなく、半月ごとにシフトを提出できたので、予定の融通もきくし、何より頭を使わずに仕事に打ち込めるのが気に入っていました」  つい数年前まで、レジ作業はすべて人間によって行われていた。しかし、コロナ禍の“非接触”を目的にした急速なデジタル化によって、店舗にはセルフレジが導入され、事態が急転する。 「最初は試験的にセルフレジ1台だけが導入されたのですが、1年も経たないうちにレジスペースの半分を占め、有人レジは数台だけになりました」  最初は客もセルフレジに不慣れのため、あまり使われていなかったというが、有人レジが減ったことをきっかけに、利用者が増えていったのだとか。 「周囲のスーパーマーケットやコンビニエンスストア、全国展開のある飲食店チェーンでもセルフレジの導入が進んだことで、利用者が次第に慣れていったのだと思います」と佐々木さんは分析する。

シフトを減らされ収入が大幅ダウン

 セルフレジが増えると、当然、レジ作業を担う人員が削減される。最初は働くメンバーの1回の勤務時間が少しずつ減らされていったという。すると、もともと週2~3日の時短勤務だった佐々木さんは、ほとんど勤務できなくなり、収入が激減。 「出勤の準備や通勤時間のことを考えるとバカらしく思えてきて、思い切って仕事を変えることにしました」  そんな佐々木さんだが、転職活動においても以前との違いに戸惑うことがあったと話す。 「レジ対応や事務の求人が少なくなっていることに気づきました。仕事内容よりも時短勤務を優先していたので、アパレル倉庫でのチェック作業を行う業務に転職したんです」  佐々木さんは、「今の職場でもAIに仕事を奪われる可能性があるので、ひやひやしながら働いています」と不安を吐露した。 <取材・文/chimi86>
2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。
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