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「筋トレを一切せず」 アームレスリング日本王者に。“最強の腕”を作った“最高の環境”

「筋トレを一切しない」のに、全国大会で3連覇

こうしてアームレスリングの沼に深くハマっていった。新しくスポーツを始めるには遅いようにも感じられる年齢だが、その才能は一気に開花することとなる。 「全国ではまだまだでしたが、競技を始めて1年で福島県の3位になりました。色々なスポーツを経験していたから、筋肉の使い方を理解するのが早かったんだと思います」 そして、2017年には福島県大会で優勝。さらには、2021年には日本アームレスリング連盟の全国大会で優勝し日本一に輝き、2023年に3連覇を達成。向かうところ敵なしの状態だ。 さて、“日本最強の腕”ともなれば、圧倒的な太さも納得。一体どんな筋トレで研鑽を積んでいるのだろうか。 「実は私、筋トレを一切しないんですよ。アームレスリングのトレーニングもイメトレと実践をひたすらやるだけです」

石材店での仕事がトレーニングになっていた

では、どのように鍛えているのか。普段の生活にその秘密があった。宍戸さんが2年前から働いているのは、福島県内の石材店だ。 「アームレスリングで知り合った人が石材店の経営者で。転職を考えた時期に人を募集していると聞き、採用してもらいました。志望動機は『仕事がトレーニングに直結する』と思ったからです(笑)」 石材店であれば、通常業務がトレーニングになると考えたのだ。実際の仕事内容を聞くと、かなりハードな肉体労働のようである。 「5〜6キロはあるハンマーを振り回すことも多く、まず手首が鍛えられますね。そして、重たい墓石を扱うので腕や背中と行ったアームレスリングに必要な筋肉がつきますね。石の重さは、持ち上げるもので80〜90キロくらい、横になっているものを起こすのであれば200キロくらいです」
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一般人に勝負を挑まれることが多々ある
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Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も。

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