スポーツ

「筋トレを一切せず」 アームレスリング日本王者に。“最強の腕”を作った“最高の環境”

将来的に「真の世界一」を目指す

宍戸俊之さん

いつかは「真の世界一」に

世界の壁を感じ筋トレを開始するというが、スポーツにおいて選手のピークは20代という場合が多く、30歳を超えると衰えてくるのが一般的。現在35歳の宍戸さんは、これから筋トレをはじめて強くなる目算はあるのだろうか。 「アームレスリングのピークは40代までとよく言われます。“20年選手”もいるので、私なんてまだペーペーですよ。だから、海外での経験も踏まえてこれから3〜4年でピークに持って行こうと思っています。目標はもちろん世界チャンピオンですが、世界一を決める大会はいくつかあって。それぞれの大会のチャンピオンが集まって、真の世界一を決めるような試合もありますから、『最終的な目標は真の世界一』ですね」

開始前に勝敗の70~80%が決まる

さて、数年後、宍戸さんが世界一になる姿をより深く見届けられるよう、最後にアームレスリング観戦の楽しみ方を聞いてみた。 「試合時間は一瞬なんですが、開始前に手を握り合う時のせめぎ合いに注目してほしいです。相手の目と手をしっかり見ながら、駆け引きをしてるんですよ。セットアップというんですが、ここで勝敗の70~80%が決まると思っています」 相撲で言えば立会い前の仕切りの緊張感から、選手同士の戦いは始まっているのだ。宍戸さんのスタイルでは勝負は一瞬で決まるのだという。 「優勝するまでに5試合あるような大会だと『トータルの試合時間を10秒以内にしろ』と教わっています。なので、1試合の平均は1~2秒ですね。私はスピード型なので『レディーゴー!』の掛け声から、全力を出すまでの時間をどれだけ短くするかに懸けています。時間にしたら100分の1秒のような世界ですが、先に全力に到達して先手を取って戦います」 ===== アームレスリング日本最強の男の腕は、これからさらにたくましく進化するだろう。数年後、世界最強になっていることを期待したい。 <取材・文/Mr.tsubaking>
Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も。
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