スポーツ

「筋トレを一切せず」 アームレスリング日本王者に。“最強の腕”を作った“最高の環境”

一般人に勝負を挑まれることが多々ある

こうして、日々働きながら屈強な肉体を手に入れた。その肉体は街中でもかなり目立つようだ。 「居酒屋で飲んでいると、だいたい『何かスポーツやってるの?』と声をかけられます。『アームレスリングやってます』と答えると、ほぼ100%『1回やってみよう』という流れに……」 アームレスリング日本最強の男に、たまたま隣で飲んでいた一般人が敵うはずはない。全勝かと思いきや、プロならではの配慮が存在していた。 「勝つことはないですよ。ちゃんとやろうとすると、相手が怪我してしまうので(笑)。ひどい時は、骨が折れてしまうこともあるので、ただ勝負を受けるだけです」

世界大会で「パワーの差を感じた」

宍戸俊之さん

日本では敵なしでも、世界は広かった

日本では敵なしとなれば次は世界。2023年、日本代表として初めて海外での世界大会に出場した。その結果は「右が9位」で「左が10位」だ。 「実は、両手でもエントリーできるんです。私も普段は右だけのエントリーが多いんですけど、初めての世界大会だったので雰囲気などもしっかり経験したくて。左のほうは全く練習してなかったんですが、両手でエントリーしてみました」 右で世界9位はもちろんすごいものの、全く練習していない左でも10位とは……。まさに天賦の才能というべきかもしれない。ただ、現状に胡坐をかくつもりはない。この大会を経て、世界との大きな壁を感じ、決意したことがあった。 「筋トレしようと思いました(笑)」 筋トレをせず日本一に上り詰めた宍戸さんにとって、大きなターニングポイントとなった。 「もちろんパワーの差を感じました。それに、取材をしていただくと腕の太さを取り上げてもらうことが多いんですが、海外に行くともっと太い人も当たり前にいて、恥ずかしくなるくらいだったんですよ。海外の選手は、プロとして契約してお金をもらい、さらに賞金も稼ぐという人もいますので、モチベーションもレベルも違います。もう一段レベルアップは必要ですね」
次のページ
将来的に「真の世界一」を目指す
1
2
3
4
Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も。

記事一覧へ
おすすめ記事
ハッシュタグ