みなみかわの“元相方”が語る、芸人からADになった理由「人生の仕切り直し、後悔はない」
かつて芸能界で売れようと闘っていたが、あることをきっかけに引退し、新天地で新しい花を咲かせようと奮闘する人がいる。今年、所属事務所を離れてフリーランスに転身したピン芸人のみなみかわさんの元相方で、元ピーマンズスタンダードの吉田寛さん(44歳)は、2019年にコンビ解散と同時に芸人を引退。
――2019年、突然のコンビ解散と芸人引退を同時に発表されて、大きな話題となりました。そもそも、コンビを解散することになったきっかけは何だったのでしょうか?
吉田寛(以下、吉田):実は、発表の1年くらい前からコンビ解消の話は出ていました。直接的なところでいうと、みなみかわに第二子が生まれたことですね。コンビで10年以上やってたんですけど、正直、お互いお笑いだけで食えてなかったので、それぞれ自分のことを考えて稼いだ方がという話になっていました。
最初の相談から1年間は、システマでテレビに出ることもあったので、それをきっかけにいい流れに乗れればと思っていたんですが、そう上手くはいきませんでしたね。
――コンビ解散と同時に吉田さんは芸人引退も発表されました。その理由は?
吉田:自分がピンでやってるイメージが湧かなかったからです。それに、解散を決めた年に、うちも第一子が生まれました。妻から「芸人をやめてほしい」とは言われませんでしたが、ここで一度仕切り直しをしようと就職を決めました。
ありがたいことに、発表の少し前に引退の挨拶をした、前の制作会社の社長から「うちで働くか?」と聞かれたんで、すぐ飛びつきました(笑)。
――テレビ制作(AD)への転職に不安はありませんでしたか?
吉田:それまでまともに働いたことがなかったですし、年齢も39でしたし、ADの仕事がどうこうよりも、就職先が見つかるかどうかの不安のほうが大きかったですね。なので、嬉しさが強かったと思います。
それに、今までやめていった芸人たちを振りかえると、ほとんどの人が疎遠になってるんですよね。理由は、やめた側が芸人を続けている人間に遠慮してしまうからです。やめた引け目もあるし、頑張ってるやつらが輝いて見えるし、会っても何をしゃべったらいいんだろうとなるんです。こちらから飲みに誘っても断られることも多くて、僕は芸人をやめても、そうはなりたくないと思ってました。
15年間の芸人人生でできた友人や繋がりをゼロにしたくなかったんです。「お笑いに近い業界で仕事をしていれば会いやすいだろう」という考えもあったんで、まさに渡りに船という感じで飛び込みました。
テレビ番組の制作会社に転職し、AD・チーフADを経て、現在はAPを務めている。芸人をやめて裏方にまわった理由、番組制6年目を迎えた吉田さんの現在地とは?
39歳でコンビ解散&芸人引退
お笑いと近しい業界で働きたい
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