ホスト宅を狙い窃盗を繰り返した“令和のキャッツアイ”、出所後も続く黒歴史「本名でネット検索されたら一発アウト」
今から4年前(2020年)、新宿区のホスト宅を次々と狙い、現金やブランド物を窃盗していた女性2人組がいる。美人姉妹の怪盗を描いた北条司氏の漫画を重ね、警視庁は「令和のキャッツ・アイ」と名付けて捜査。2人は窃盗と建造物侵入の容疑で逮捕された。
令和のキャッツ・アイと呼ばれた2人組のひとりであるAさん(仮名)は2年6か月の実刑判決を受けていたという。Aさんは去年2月に出所してきたが、今回は捕まった瞬間や“塀の中”で感じたこと、その後について聞いてみた。
Aさんは取材中に「本当に捕まってよかった」と何度も繰り返す。
「“いつか捕まるんじゃないか?”って不安に苛まれていたので、じつは逮捕される3日前から捕まる夢を見続けていました。盗んだホストからも当たり前にバレてるんですよ。家の合鍵を何人にも渡しているわけじゃないから『盗んだよね?』って」
毎日ひっきりなしにホストからLINEや電話で問い詰められていた。
「正直、捕まった瞬間は、“ようやく止めてもらえた”って安心したんですよね。もう引き返せないところまできていた。捕まるのはわかっていたけど、ホストに行ってお金を使わなきゃいけない使命感みたいなものがあったので、警察が捕まえてくれなければ、窃盗を続けていたんです。だから本当に捕まってよかったと思いました」
自分のニュースを弁護士づてに知ったときは、「全国に自分の顔が晒されてしまって、悪い意味でヤバいと思った」と話す。
「新宿署で取り調べを受けたあと、留置所のある湾岸署に移送される前にマスコミのフラッシュがたくさん焚かれて。“もう人生終わった”と思いました。令和のキャッツ・アイという呼び方は、原作を知らなかったので正直あんまりピンと来なかったんですが、キャッチーだったのか、思いのほか広まってしまって」
いわゆる“塀の中”では、いったいどんな生活だったのか。
「大々的に報道されていたからか、最初はまわりからも『ニュースの子だ』って言われました。いちばんツラかったのは、作業よりも“人間関係”ですね。私が言うのもなんですが、犯罪するのって、人付き合いが苦手な人が多いと思うんですよね。外ならば嫌な相手はブロックすれば済むんだけど、塀の中だとそういうわけにいかない。
長く入っている人の中には、やっぱりリーダーみたいな人がいて。その人には逆らえない風潮はあるかも。ただ、なにかしら揉め事を起こして“人間関係がうまくできない子”という烙印を押されるのも怖かったので、我慢するしかない。
意外だったのは、薄暗いイメージがあったけど、自殺やトラブル防止のためなのか、電気が煌々と点いていて明るかったですね」
「本当に捕まってよかった」
マスコミのフラッシュが焚かれて「もう人生終わったと思った」
1
2
ライター兼底辺グラドルの二足のわらじ。著書に『最底辺グラドルの胸のうち』(イースト・プレス)、『現役底辺グラドルが暴露する グラビアアイドルのぶっちゃけ話』、『現役グラドルがカラダを張って体験してきました』(ともに彩図社)などがある。趣味は飲酒、箱根駅伝、少女漫画。X(旧Twitter):@sally_y0720
記事一覧へ
記事一覧へ
【関連キーワードから記事を探す】
この記者は、他にもこんな記事を書いています
日刊SPA!の人気連載