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『地球の歩き方』と『ムー』が異色のコラボ。予想以上の反響も、いったい誰が買っているのか…編集長を直撃

『ムー』と『地球の歩き方』の読者には、共通点が

意外にも『ムー』と『地球の歩き方』の読者層には共通点があるという。 「世界中を旅したい人って、普通の観光地じゃなくて、マニアックな場所を求めるんですよ。そういう意味では、『ムー』の読者と重なる部分があるんです。両方とも、未知のものへの好奇心が強い人たちが読者なんじゃないでしょうか」 共に創刊は1979年。かたやどちらも未知の世界への探求をテーマにしていたという点では共通している。「異色のコラボ」という表現は容易いが、実は両者は同梱なのかもしれない。 それでもなお『ムー』の読者層は気になる。なにしろ、最近はアパレルとのコラボも盛んだ。どう考えても、読者っぽくない人がTシャツを着たり、グッズを持っていることがある。三上氏もまた、そんな体験をしたことがある。 「しまむらさんとコラボした『ムー』のポーチを持っている女子高生を見かけたことがあります。多分、雑誌は読んでないでしょうけど。でも、そういう層にも『ムー』の存在が知られているのは面白いですね」

中学生から70代まで。なぜ読者層が幅広いのか

雑誌に限っても『ムー』の読者層は実に幅広いという。最近は、50代が中心だが、中学生から70代までいる。 「二世代で読んでいる家庭もありますね。“お母さんが読んでいて、私も読むようになった”とか。逆に“読むなって言われたから、こっそり読んでた”なんて話も聞きます」 実のところ『ムー』は誰が読んでも面白い雑誌である。だいぶ前の話になるが、『週刊SPA!』の取材で当時、東京拘置所にいた日本赤軍のリーダー・重信房子氏を訪ねたことがある。面会を終えて、差し入れ所を見ていたところ、同行した編集者が「これを差し入れましょう」とニコニコしながら手に取ったのが『ムー』だった。後日、編集宛てに初めて読んだが非常に面白い内容で楽しめたと礼状が来た。三上氏はいう。 「『ムー』は刑務所でも読める雑誌の一つなんです。収監されている人も『ムー』を楽しんでいるみたいですね。本当に様々な場所で読まれているんだなと実感しています」 ただ、そこに安穏とはしていない。将来に向けて新しい読者層の開拓にも余念がない。昨年には『こちら、ヒミツのムー調査団! その少年は UFO から来た!?』を刊行したり、子供向けのUFOやUMAを扱うムックにも盛んに挑んでいる。 「これは、編集部としては子供向けの内容を作るのは新しい挑戦なんです。『学校の怪談』のような、子供が好きそうな話題をイラストや漫画で紹介しています。こうした子供向けのものは、大人向けの『ムー』とは全然違うアプローチが必要なんです。でも、子供の頃から不思議なものに興味を持ってもらえれば、将来の『ムー』読者になってくれるかもしれない………そんな長期的な視点で取り組んでいます」
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『ムー』読者のリテラシーは驚くほど高い
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ルポライター。1975年岡山県に生まれる。県立金川高等学校を卒業後、上京。立正大学文学部史学科卒業。東京大学情報学環教育部修了。ルポライターとして様々な媒体に寄稿。著書に『コミックばかり読まないで』『これでいいのか岡山』

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