お金

資産1億円超の“元芸人”怪談師が告白「あやしい話にのって300万円溶かした」怪談よりも怖い投資話

怖い話②:投資界の金縛りその(1)連続約定気配

ハニートラップ梅木さん

「恐怖に駆られると冷静な判断ができなくなって、最悪なパターンを考えちゃう……」

――デイトレードをはじめた年は順調に資産を増やされていますよね。怖い失敗はあったのでしょうか? 梅木:ありましたよ。確かに1年目は、34万9000円の資金をスキャルピングで2400万円ぐらいに増やしましたけど、あの頃は全く仕事がなかったんで、1日中ザラ場に張り付いて、色んな銘柄の売買を繰り返していました。コロナの影響で全体的に時価総額が下がっていて、簡単に上がる状況でしたし、僕がやってた小型株は特に乱高下が激しかったんで、スキャルピングはやりやすかったんです。  そこそこ経験値を積んだ頃に、よさそうな精密機器の製造会社を見つけたんで、思い切って100万円単位で買ったんです。時世的な状況からも絶対勝てると自信があったので、株価が上がる度に買い増しを繰り返しました。でも、その日の相場が終わるラスト15分くらいで急に売り注文が殺到して、株価がすごい勢いで下がっていったんです。ヤバいと思って売ろうとするけど、全然売れない。まるで金縛りにあったみたいでした。  当時はよくわかってなかったんですけど、この時は「連続約定気配」になっていたんです。マイナスになることをあまり考えてなかったし、ちゃんと先を読んでなかったし、ちょっとノリでやってる部分もあったんで、たった数分ですが、動けない間にプレッシャーと焦りで心臓がバクバクしてきて、自然と負けが大きくなる想像をしてました。 「このままストップ安になって、明日ギャップダウンしたら、全財産がなくなるかもしれない」とか考えていたら売買が成立しはじめました。少しずつスライスしていって半分ぐらい売ったところで、今度は急に値上がりし始めて、結局その日はストップ高で終了しました。その時はほっとしたんですけど、よくよく考えてみたら、売らずに全部持ってたらとんでもない利益になってたんですよ。えらい、もったいないことをしてしまいました。

怖い話③:投資界の金縛りその(2)差金決済

ハニートラップ梅木さん

「体感としては、投資の金縛りが一番怖いかもしれません」

――身動き取れないまま価格が下がっていくのは怖いですね……。金縛りにあったのは、その1回だけですか? 梅木:似たようなとこだと「差金決済」ですかね。株には現物取引と信用取引の2種類があって、ほとんどの人が信用取引をしてるんですが、中には現物取引じゃないと買えない銘柄もあるんです。そのことに気づかずに、いつものように株の売買を繰り返そうとしたら、知らない間に差金決済に引っかかっていました。  現物取引の場合は、1日に買付→売付(売付→買付)はできますが、買付→売付→買付(売付→買付→売付)はできないなど、いろいろなルールがあるんです。差金決済になって取引が停止してしまうと、その銘柄がどれだけ下がろうと、その日は売れないんです。僕も知らない間に差金決済をやっちゃってて、ストップ安をくらいました。これはけっこうあるあるで、たくさんの人が引っかかってると思います。  身動きできなくなると焦りますが、原因はかわっているので、知っているだけで気持ちの乱れも多少は抑えられますし、差金決済なんかは注意していればわかることなので、どこか頭の片隅にでも置いておいてください。
次のページ
予測不可能なワラント&決算前のいいニュース
1
2
3
東京在住のフリーライター。 お笑い、歴史、グルメ、美容・健康など、専門を作らずに興味の惹かれるまま幅広いジャンルで活動中。X(旧Twitter):@mochico_abekawa
記事一覧へ
おすすめ記事
ハッシュタグ