その後はホットプレートなど新商品を販売し、一定の評価を受けていますが、BALMUDA The Toasterに代わるヒット作を出せていないのが現状です。今年2月に発売した新型トースターの「ReBaker」はスチーム機能をカットしたうえで24,200円と従来品より安く、一見客を集めたい狙いが伺えます。
一方で近年の業績改善策は商品開発力を落とす方向に走っています。デザイナー数は変わらないもののエンジニアはピーク時の約90人から今期1Q時点で57人となり、今年度の試験研究費も21年度と比較して3分の1以下となる3.4億円を予定しています。業績改善策として仕方ないと思われますが、開発力の低下は将来の稼ぎをじわじわと削ぐことになります。今後、同社からは目新しい商品が生まれにくく、似たような機能でデザインだけを変えた類似品が頻発されることになるかもしれません。
<TEXT/山口伸>