モノ作り新時代到来!「たった数人」が作る製品が家電のトレンドを作り出す
「日本のモノ作りが危うい」との言説を蹴散らすかのごとく、日本発の家電メーカーが世界市場で躍進している。その潮流を追った。
◆たった数人で作った製品が家電のトレンドを作り出す
バルミューダは、高い技術力とアイデアを背景に、大メーカーでは作れなかった生活家電を相次いでリリース。’10年4月、初めて製品として送り出したのが、自然界の“風”を再現するという扇風機「Green Fan」だ。この製品は高級扇風機の先駆となってトレンドを作ったが、当時、同社の従業員は社長を含めたわずか3人だったという。
そして’13年に発売されたばかりの空気清浄機「AirEngine」は、強力な吸引用ファンを搭載している。部屋全体の空気を動かすことで、隅々の空気を引き寄せるのだ。そうして集められた部屋の空気は酵素フィルターを通って、集塵/除菌/脱臭される。
ビーサイズという、27歳で富士フイルムを退職した八木啓太さんが3年前に一人で立ち上げた企業も面白い。最初の製品であるデスクライト「STROKE」は、企画やデザイン、組み立て、梱包から発送までを一人で行っていたという、家内制手工業のようなモノ作りだ。一般的なLEDライトよりも広い領域を均一に照らせるLEDを採用しており、自然光と波長が近い。このライトで物を見ると、自然光の下で見たときと非常に近い色の見え方がする。国内はもちろん、ドイツのデザイン賞も受賞している。
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これらは、日本のモノ作り、製造業は健在だということを世界に示す好例と言えるだろう。今後もこうしたメーカーが続々と立ち上がることを期待したい。
●AirEngine/BALMUDA<バルミューダ>
吸引用と送風用の2つのファンを搭載した空気清浄機。このWファン構造によって部屋の隅々の空気を引き寄せ、素早く強力に空気を清浄できる。円筒形のフィルターにより効果的な集塵と脱臭が可能だ。4万6200円(税抜き)
●LEDデスクライト STROKE/BSIZE<ビーサイズ>
自然光の下で見たときの、モノ本来の色を再現できるLEDデスクライト。チラツキがなく、広範囲を均一の明るさで照らせ、目への負担が少ないのが特徴だ。筐体は直径15㎜のパイプ1本で構成される。3万9900円(税込み)
取材・文/河原塚英信
― “小規模・独立系”家電メーカーの逆襲【3】 ―
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