仕事

月収60万円なのに軽バンでの“車上生活”を続ける28歳Amazon配達員「いつかは地に足をつけた生活をしたい」

台風の日や雪の日は地獄

 作業開始時間が遅い場合はインターネットカフェの駐車場で寝ることもあるという。この仕事を始めてから、慣れるまでは様々な困難があったようだ。 「ツラいのは駐禁ですね。例えば日給が1万9000円の仕事の時に駐禁を食らうと罰金で1万5000円持っていかれるので、自業自得ですが手取りが4000円になります。雨の日も、荷物が濡れちゃうとクレームの対象になるので台風の日や雪の日は地獄です。クレーマーのお客さんに当たると大変です。『このダンボール潰れてるんだけど』『直接受け渡しにしたのに置き配にしたな』とか。こういうのもペナルティの対象になってしまいます」  どこの配送サービス化は言えないが、聞いたところによると、木村さんの周りでは配達員の不正も日常茶飯事で行われているそうだ。 「配達員側で荷物をパクる人もいましたね。車の中に最初から荷物が入ってなかったと申告して自分のものにしちゃう人とか。その人はバレて契約を切られていましたけど。基本的に変わった人が集まってくるのでトラブルも必然的に多いですね。1人で淡々と作業するのが好きな人には向いていると思います。僕は人間関係がうまくできるタイプじゃないので天職だとは思っています」

AIの判断で仕事が増えることも

20代アマゾン配達員

寝るときは荷台をからっぽにして

 仕事は全てAIに管理されているため、注意すべきこともあるという。 「デリプロは仕事ができすぎると『この人はもっと運べる』とAIが判断して仕事が増えるんです。正直、少し手を抜いてやるくらいがちょうどいいです。ただ、サボりすぎるとアカウントが削除されてしまうのでもちろん一生懸命には働いています。  一方、個人で請け負うアマゾン・フレックスは完全歩合制なので、なるべく荷物を増やしています。また、仕事の出来は全てAIが判断しているので未配、誤配、持ち戻りが多いとランクが下がります。でも、給料は週払いなので金欠になるということはないので、かなりありがたいです」
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まだギリギリ20代なので稼げている
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’92年神奈川県鎌倉市出身。ライター業、イベント企画、映像編集で生計を立てています。レビュー、取材、インタビュー記事などを執筆。Twitter:@yamazaki_naoya

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