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任天堂が「スマホゲームに負けない」理由。「Switchの後継機種」は“1兆円の山”を超えられるか

自社ソフトが売れるため、スマホゲームに飲み込まれず

 任天堂の地域別売上高を見ると、24年3月期は国内が21.7%で8割弱を海外が占めます。全体の44.3%を占める米大陸(特にアメリカ)は主力の市場です。そして商品別に見ると、他社ソフト販売によるロイヤリティ収入は意外と小さく、主な収入源は自社ハード(Switch)と自社ソフトの販売です。Nintendo Switch用ソフトの売上高全体に対し、任天堂製ソフトの売上は約8割を占めます。  近年のミリオンセラーソフトは他社が10数本であるのに対し、任天堂は毎年20本以上を生み出してきました。「マリオカート8 デラックス」は発売から24年3月期末までに6,197万本、「あつまれ どうぶつの森」は4,536万本も売れています。魅力的な自社ソフトがあるからこそ、ハードも売れ、台頭するスマホゲーム市場の波に飲まれなかったと言えます。  ちなみにSwitchはシャープの買収で知られる鴻海精密工業が主に生産しています。自社工場を持たないファブレス経営を進め、8割という高い自己資本比率を維持してきました。

今年度中に”後継機”を発表

 任天堂は今期中に新型ゲーム機を発表する予定です。現時点で詳細は不明ですが、社長は「Nintendo Switchの後継機種」というような発言をしており、全くの別型ではなく、Switchと後方互換性を持つような類似機の可能性が高いと見られています。  とはいえ、任天堂はWiiの後継機として出した「Wii U」がコケる苦い経験もしています。似たような名前・機能であれば売れないかもしれません。発売から7年たった現在、Switch関連の販売は下降段階にあり目新しさも求められています。Wii、Switchに続く1兆円の山を超えられるか、注目したいところです。 <TEXT/山口伸>
経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 Twitter:@shin_yamaguchi_
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