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長男1人に5000万円の教育費。世帯年収700万円でさせたアメリカ留学の“大きすぎる代償”

子どもが卒業しても老後が不安

[無理ゲー家族]と生きる

教育費がかかりすぎたためマイホームを諦めた片岡さん。家族で集まれる場所がなく、リモートで顔を合わせる機会が多いとか

世帯年収700万円ほどの片岡家にとって、あまりにも大きい代償だった。 「今は夫婦で学生寮に住み込みで働いており、家賃、光熱費、食費がかからないから、ギリギリやっていけてるだけ。長女は来年から大学院に行きたいと言ってるので、給料のほぼすべてを子供に回す生活はあと2年ほど続きそう」 問題は、老後の不安だ。 「昔買った株が少しありますが、老後資金の準備が間に合ってません。妻は『マイホームが欲しい』と言ってましたが、とうの昔に家を買うのは諦めました。少しでも長く働きながら、株が値上がりし続けることを祈ります」

子供の教育に過剰にお金を注ぎ込む家庭は増えている

実は、こうした家庭は増えている。ファイナンシャルプランナーの黒田尚子氏が話す。 「子供の教育に過剰にお金を注ぎ込むことは、老後を犠牲にする行為。結果的に、子供に老後の面倒を見させる行為にもなりかねません。実際、日本人の生涯医療費は平均2800万円ですが、その半分が70歳以降に発生します。自己負担割合が2割なら300万円で、別途、平均して介護費用は500万円、老人ホームへ入居するなら1000万円ほどかかる。 将来発生しうる支出と受け取る給料や年金から逆算して、教育費を設定するべきなのです。今からでも、お子さんには奨学金を利用してもらうなどして、老後資金の確保に務めるべきです」 子のための投資が自分の老後のためとなってはならない。
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片岡家が直面する難題
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