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漫画を盗んでおきながら、警察に「むしろ私は被害者」と主張する20代女性にア然…漫画喫茶の元店員が明かす“迷惑客”

 迷惑客カスハラ(カスタマーハラスメント)が社会問題となっている。その理不尽な言動は、対応した従業員にトラウマを植え付けかねない。
漫画喫茶

※写真はイメージです。以下同

 今回は、漫画喫茶で働いていた経験のある松下友作さん(仮名・40代)が、窃盗犯やサービス券目当ての悪質クレーマーなど、驚くべき実態を明かす。

窃盗犯の女性が「むしろ私は被害者」と主張

「窃盗されるのは日常茶飯事でしたね。防犯タグが貼ってあるのに、よく盗むものだなと思っていました」  松下さんの店は、東京都内の繁華街にあった。それも山手線の主要駅である。迷惑客も少なくなかった。  とはいえ、漫画や雑誌などの窃盗は当然、出入り口の防犯ゲートで音が鳴る。たいていはスタッフに呼び止められて「すいませんでした」と謝るのがオチだ。しかし、そこで常識外れな行動をする客もいるのだとか。 「20代後半の女性で、どう見ても窃盗をするようなタイプではなかったのですが……」 漫画喫茶 この女性は、バッグから漫画が出てきても何食わぬ顔で「間違ってバッグに入ったのよ。悪いことはしていないから、警察でも何でも呼べば?」と開き直ったという。 「さらに驚いたのは、交番まで連れて行くと、彼女が『勝手に窃盗犯みたいに扱われて、むしろ私は被害者』みたいなことを言ったんです。この態度にはスタッフ全員が『“盗人猛々しい”とはこのことだ』と怒っていましたね」

警察も呆れる大学生の態度

 窃盗犯で印象に残っているケースはほかにもあるという。 「メガネをかけた大学生らしき男性が捕まったときに、なぜかドラマのセリフのような格好つけた感じで『フゥ、やっちまったぜ……』って。本当に謎でしたね。  彼は交番でもパイプ椅子に足を伸ばして座っていました。『君、警察のお世話になるのは初めて?』と聞かれても、『まっ、そういうことになりますわな!』みたいなテンションでした。終始ドラマのような口調で対応していたので、警察も呆れていました(苦笑)」  窃盗が相次いでいたことから、要注意人物などは情報共有されていた。“ナイフを所持しているかもしれない”と噂の人物が来店した際には、廃棄予定の漫画や雑誌を体の前後に巻きつけて、もしもの場合も大丈夫なように臨戦態勢でレジにのぞんだことまであるという。「何事もなく退店してくれたときはホッとしました」と振り返るが、漫画喫茶のスタッフも楽じゃないのだ。
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明治大学商学部卒業後、金融機関を経て、渋谷系ファッション雑誌『men’s egg』編集部員に。その後はフリーランスで様々な雑誌や書籍・ムック本・Webメディアの現場を踏み、現在は紙・Webを問わない“二刀流”の編集記者として活動中。若者カルチャーから社会問題、芸能人などのエンタメ系まで幅広く取材する。趣味はカメラ。X(旧Twitter):@FujiiAtsutoshi

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