◆運命を変えた、ヒカルとの出会い
水野:数々の大手企業のコンサルティングをされてきた入江さんですが、その後はどのようにビジネス展開されたのでしょうか。
入江:それまでは九州を拠点にしていたのですが、30歳を目前にして、「東京で自分のビジネスを始めよう」と思って本格的に上京してきました。その頃からちょうどYouTuberのマネジメント業務などを手掛けるUUUMのEC商品開発のコンサルティングをしたり、YouTuberのコンサルティングに入ったりと、YouTube界隈でのお仕事が増えていったんです。
コンサルティングをしているなか、特にお客さんが困っているのが「集客」の部分でした。この集客の部分をYouTubeとインフルエンサーを使い、ビジネス構築までしてあげれば、彼らを儲けさせることができる。そう思っていましたね。
水野:そんななか、ヒカルさんと出会うわけですね。
入江:はい。2018年、サムライパートナーズの事務所に彼が来てくれました。当時、ヒカルさんは仮想通貨を使った「VALU問題」で炎上しているさなか。当時、世間から叩かれすぎて疲れ切っているようにも見えました。そんななか、実際に会って話してみると、彼の本質が見えてきたんです。
水野:どんな印象だったんですか。
入江:素直な人だなと感じましたね。また、お金儲けは好きだけれど、「お金のために動いているわけではない」純粋なクリエイターだということ。そして、そんな渦中でもまだなお、「どうすればもっとYouTubeが伸びるか、普通できない企画ができるか」を探している。単純に「この人すごいな」と思いました。「どこから出てくるんだ、この自信は」と。
水野:当時はヒカルさんも大変だった頃ですよね、、、。
入江:はい。続けてヒカルさんに「俺は一番になれる。そのために入江さんは何をしてくれますか」と聞かれたことが印象に残っています。初対面で、ですよ。なかなか言えることじゃないな、と。ヒカルさんのカリスマ性を感じましたね。
この人になら人生をかけてもいい。ほかのことをやめてでも、この人と一緒にビジネスがしたい。そう思いましたね。心が折れることなく、ただ前を向いて進もうとする姿勢に打たれたんです。
ただ、実はそこからも大変で……。本当の意味で距離感なく対等にビジネスができるまでは、それから2年くらいかかりましたね。
水野:出会うべくして出会ったお二人なんだなと感じます。実際、ビジネスを一緒にやっていくにあたっては、役割は分担されたのですか?
入江:そこは明確に分けましたね。ヒカルさんがクリエイティブに専念し、私がビジネス面を全面的にサポートする。クリエイターはあまりビジネスを考えず、動画の反応と、ファンのことを考えていればいいと思っています。そうした役割分担がうまくいっているおかげで、ヒカルさんの価値はどんどん上がっていると考えています。
モノを売ることで、ヒカルさんの右に出る者はいないくらいではないでしょうか。ReZARD、QBT、サプリ事業他やってるもの全部を含めると、ヒカルさん1人で約150億円以上の規模の売上があり、今も伸長し続けています。
水野:ケタ違いの伸長を続けている、ヒカルさんと入江さんのコンビなのですね。
入江:ありがとうございます。
【プロフィール】入江巨之

1985年生まれ。株式会社サムライパートナーズ代表取締役CEO。YouTuberヒカル氏とパートナーを組み、アパレル・コスメブランド「ReZARD」のほか、数々のビジネスを成功に導く。D2Cモデルをはじめ、YouTube番組制作、ホテル開発も手がける。DJ I-RIEとして、ノンタイトルのエンディング曲『beautiful life』をリリース
<取材・文・構成/水野俊哉・高橋真以・掛端 玲>
1973年生まれ。作家。実業家。投資家。サンライズパブリッシング株式会社プロデューサー。経営者を成功に導く「成功請負人」。富裕層のコンサルタントも行う。著書も多数。『幸福の商社、不幸のデパート』『「成功」のトリセツ』『富豪作家 貧乏作家 ビジネス書作家にお金が集まる仕組み』などがある。