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「自分の意思で排泄ができなくなった」自宅アパートから飛び降りた18歳女性。語った後遺症の現実と、家族への思い

20歳女性「私はまた、やりますよ」

[自殺に失敗した人]が生きる人生

首吊り未遂直後の、新田さんと母親のLINEのやりとり。ドライなかけ合いが印象に残る

 一方で、ひと月前に自殺を決行したものの、「私はまた、やりますよ」と変わらぬ決意を口にするのは、関西の大学に通う新田莉央さん(仮名・20歳)。  彼女の心に深く根づく希死念慮のきっかけは何か。 「物心ついたときから父は母をDVしていて、家には日常的に怒鳴り声が響いてました。しかも、母には『あんたがいるからお父さんと離婚できない』と恩着せがましく言われ続け、心が壊れてしまった」

家族との関係が引き金に

 人間不信に陥った彼女は、「わかってくれない人を全員殺したい」と思い、大学に包丁を持ち込んだ過去さえある。 「唯一の支えは、舞台や映画を何本も観て現実逃避すること。ただ、映像制作サークルで活動するうちに、作品の非現実感がだんだん薄れてしまい、何を観てもつまらなく感じるように。そしたら全部に嫌気がさしてきて、一人暮らしの部屋で、彼氏のネクタイで首を吊りました。恐怖はなくて、まるで日常の一コマ。でも、ネクタイが体の重さで切れてしまい、意識を失ったまま床に転がり落ちました」  幸か不幸か、後遺症は残らなかった。 「私にとって自殺は“復讐”です。人生を壊した両親は殺したいほど憎い。でも法的に許されないから、せめて『あんたらのせいで私は死んだ』って傷を負わせたいんです」  家族との関係は、時には命綱にも、自殺の引き金にもなりえるのだ。 ▶︎不安・悩みを抱える人の相談窓口 【インターネット】「まもろうよこころ」で検索 【電話】「#いのちSOS」0120-061-338 「よりそいホットライン」0120-279-338 取材・文/週刊SPA!編集部 ※1月21日発売の週刊SPA!特集「[自殺に失敗した人]が生きる人生」より
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週刊SPA!2/4号(1/28発売)

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