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「まるでゴミ屋敷」ビジネスホテル清掃員が明かす、“寝具類が全交換”になった迷惑客の正体

モップで拭いても落としきれない“トイレの汚れ”

トイレ 佐々木良子さん(仮名・30代)は、ある日、公共施設の清掃にうかがった。  そこには、現場の担当警備員からのメモ書きがあり、「大至急、男子トイレを掃除してほしい」との指示があったそうだ。佐々木さんがトイレに駆けつけると、予想外の惨状を目の当たりにしたという。 「男子トイレの壁や床は、墨のようなものがいたるところに塗られており真っ黒でした。もともとの色が見えないほどだったんです」  墨のようなものが何なのかは不明だったが、おそらくペンキなのではないかと佐々木さんは思った。手のかたちをした跡がたくさんあり、左から右に“シャー”と細い線が何本も引かれていたようだ。 「床は、真っ黒になっている上から足跡が散乱していましたね。何回もモップで拭いたんですが、落としきれない箇所もありました」  奇妙な惨状はこれだけではなかったという。

大掛かりな“いたずら”に大迷惑

「洗面台の鏡にも手の跡が残っていました。置かれていた液体せっけんは、すべて抜かれていて、その代わりに水が入っていたんです。そして、ゴミ箱はひっくり返されていて、ゴミが散乱している状態でした」  また、トイレの備品であるタオルが2~3枚落ちており、何者かが汚れを落とそうとしたのかもしれないという。 「新しい手拭き用のペーパータオルが1つ丸ごと使われていました。大掛かりな“いたずら”で、片づけるのが本当に大変でした」  墨のような汚れはなかなか取れず、現在もなお、一部が残っているほどだとか。 「この男子トイレをお風呂代わりに使った人がいたという話を聞いたことがあります。また、よく犬の体を洗う人もいて、それらのことも事件と関係しているのではないでしょうか……」  この件以来、警備員による巡回が強化されたという。ただし、トイレという場所の性質上、防犯カメラの設置はやや難しいようだ。 <取材・文/chimi86>
2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。
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