「まるでゴミ屋敷」ビジネスホテル清掃員が明かす、“寝具類が全交換”になった迷惑客の正体
清掃員はオフィスや病院、ジム、個人の自宅など、日々さまざまな場所を訪れる。そこで過ごす人たちの生活を覗き見することになるが、ときには、予想外の光景に出くわすことも……。
田中ゆりさん(仮名・40代)は、100室規模のビジネスホテルで清掃員をしている。チェックアウトは午前10時。清掃が始まりスタッフから連絡が入ったという。
「〇〇〇号室ですが、すごいことになってます! すぐに確認してもらえますか?」
7畳ほどのコンパクトな客室だが、床、ベッド、デスク、さらには窓際まで、あらゆる場所にゴミが散乱していた。
「飲みかけのペットボトルや食べかけのお菓子、割りばしなど……。飲食系のゴミが放置され、もはやゴミ箱は意味がありませんでした」
通常の客室清掃は、1部屋20~30分で完了する必要がある。しかし、この部屋の状態では不可能と判断し、支配人に報告したそうだ。特別清掃として、スタッフ2人が作業することになった。
「これまでにも散らかった部屋を清掃したことはありますが、今回は次元が違いましたね。まるで、ニュースでよく見る“ゴミ屋敷”状態でした」
ベッドのマットレスの隙間には、ファストフードのドリンクが蓋のない状態で詰め込まれていた。その中には、倒れて液体がこぼれているものもあったという。さらには……。
「ヘッドボードの上にはティッシュが山積み。床にはスナック菓子の袋が散乱し、その上を歩いたのか、お菓子の粉が床全体に飛び散っていたんです」
「ゴミの回収だけで30分かかって、45リットルのゴミ袋が4袋にもなりました」
特に時間を要したのは飲み残しの処理だった。ほとんどのペットボトルやカップの中身が残っており、破棄に手間取ったそうだ。
「寝具類が全交換になりましたね。デスクや床はスチームで除菌し、作業が完了したのは約2時間後でした」
田中さんたちが支配人に報告すると、その部屋の宿泊者は企業の団体客で、新入社員の若い男性だったことが判明。
今後も宿泊予定があるということで、支配人は企業の代表者に、「次回からは気をつけてほしい」と連絡したという。
「部屋を汚した理由はわかりませんでしたが、嫌がらせのような“故意ではない”と感じました」
部屋に残されたゴミはジャンクフードやお菓子類がほとんど。田中さんは、基本的にベッドの上で生活した結果だと推測する。
「その日のうちに代表者と宿泊者本人が菓子折りを持ってお越しいただきましたけど、男性は真摯に謝罪をしていました。『たった5泊でここまで汚れるとは……。彼の自宅はどうなってるんだろう』という疑問が頭をよぎる、衝撃的な清掃体験でした」
後日、再び宿泊した男性だが、ゴミはすべてまとめられて袋に入っていたという。
ビジネスホテルの部屋中にゴミが散乱…もはやゴミ箱は意味がない
犯人は団体で宿泊中の“新入社員”と判明
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2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。
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