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「3万軒のスーパー」に行った専門家に聞く、「今注目しているスーパー」4選。2024年オープンのニューカマーから、言わずと知れた老舗まで

東北6県にある『コープ東北』の各店舗

青森県、秋田県、岩手県、山形県、宮城県、福島県の東北6県にそれぞれある『COOP(コープ)』に、スギさんは再注目しているとか。 スギ:スーパーマーケット研究家としても一個人としても東北を愛し、復興支援の気持ちを強く持っています。コープ東北さんは、東日本大震災後の復興への思いを込めた新しいPB商品「古今東北」を出すなど、すごく頑張っているんです。 この古今東北の商品はHPを見てほしいのですが、東北6県の醬油や味噌などの調味料から、東北ご当地の名産を使った缶詰や瓶詰、お菓子、日本酒、冷凍総菜など、とにかく素晴らしいんです。 東北に旅行に行かれる方は、道の駅に行くような感覚で、ぜひコープに立ち寄ってみてください。リーズナブルで地産地消、しかも高品質でおいしいので、『古今東北』の商品はお土産にもぴったりですよ。

進化が止まらない高級スーパー『紀ノ国屋』

紀ノ国屋

紀ノ国屋の店内。スギさんは日本トップのスーパーだと太鼓判を押す

東京を中心に展開する老舗高級スーパー『紀ノ国屋』のPB商品を絶賛するスギさん。いわずと知れた最高水準の品質と美味しさ、安全にこだわった商品ばかりを取り揃え、PB商品の個性とバラエティの豊かさが進化しているのだという。 スギ:時代の変化を恐れずに、新たな挑戦しているスーパーだと断言できます。昔の「高すぎて敷居が高い」というイメージとは違い、スイーツ、パン、ジャムなどに力を入れることで手に取りやすい価格のPB商品がかなり増えています。オリーブオイル、ドレッシング、アイスなど、他のスーパーのPB商品と比べると少しお高めかもしれませんが、製造元にもこだわりがあって際立つ美味しさに感激します。PBの月餅は最高ですよ。中華料理の素など万能調味料の種類も多いですし、鍋つゆやレトルトカレーもおすすめ。ビックリすることに、PB商品で鰹節がまるまる1本売られているのは、紀ノ国屋くらいでしょう。東京土産にも最適ですし、ちょっとした贅沢としてぜひ行ってみてほしいですね。 あと、紀ノ国屋といえば「KINOKUNIYA」と英語のロゴをあしらったエコバッグが有名ですが、色や大きさのバリエーションも素晴らしいですよね。海外のスーパーでも、エコバッグがヒットするスーパーは、そのスーパー自体の売り上げも上がります。ですから、イギリスのスーパーなどでは有名デザイナーがエコバッグをデザインしたりする。 スーパーは安いだけだと長く付き合えません。親近感やぬくもりを感じることは重要ですが、オシャレで素敵なスーパーだから、わざわざ行きたいと思えるんですね。「高かったら、普段使いできない」「通えない」と思う方でも、特別な時に行くとか、自分へのご褒美にとかでいいんです。そういう意味では、紀ノ国屋はトレンドを抑えたPB商品を次々出している日本トップクラスのスーパーだと思います。スーパー界における“食文化の宝庫”として、今後も注目していきたいと思っています。 <取材・文/高田晶子>
1982年、札幌市生まれ。中央大学卒業後から10年間、光文社『女性自身』記者として芸能人や美容・健康分野の取材を担当。2016年独立後、雑誌の取材に加え、写真集や書籍の構成・編集なども担当
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