更新日:2025年03月28日 11:21
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「3万軒のスーパー」に行った東大卒の女性が、スーパーにハマったまさかの理由。今ではその道の第一人者に

この数年、情報番組や夕方のニュースの特集、バラエティ番組などで、“ご当地スーパー”がよく取り上げられている。そこでよく登場するのが、「スーパーマーケット研究家」のスギアカツキさん。この分野における第一人者の地位を築きつつある。 さて、スーパーの専門家として活動するスギさんのプロフィールには、「全世界のスーパー3万軒以上訪問」「東京大学農学部卒」といった気になる情報が並ぶ。いったいどのようなバックボーンを持っているのか。本人を直撃し、改めていろいろと聞いてみたい――。
スギアカツキさん

スギアカツキさん

スーパーのことが語れずして「食文化研究家」は名乗れない

――スーパーの企画に出演する際、スギさんの肩書きは「スーパーマーケット研究家」ですが、ご自身のSNSには「食文化研究家」「食育専門家」「長寿美容食研究家」「コンビニグルメ専門家」「ダイエットフード専門家」など、食にまつわるいろいろな肩書きがありますね。 スギアカツキ(以下、スギ):主な肩書きは「食文化研究家」でやらせていただいて。「食」はひとつの視点で語れないところに魅力があるんですよね。以前、家族のつながりで津田大介さんとお会いすることがあり、15年ほど前に「知識はもうAIに勝てなくなる時代が来る。昔のことはインターネットで誰でも調べられるから、今のことをリアルに語ることができて、その人にしか語れない話ができる方が信頼されるようになる」とアドバイスをいただいたんです。それ以来、子どもの好きな駄菓子の変遷でもいいし、牛丼やハンバーガーなど、ほんの小さな変化でもいいから“今”の情報にきちんと目を向けるようになったら、お仕事のオファーが途絶えなくなりました。 ――そのなかでも、スーパーマーケットはお好きだったんですか? スギ:私自身、スーパーが大好きですし、皆さんもスーパーを日常でよく使うと思います。需要があるからこそ、スーパー関連の企画への出演依頼が多くて、最近私は「スーパー専門のプロ」だと思っていただいていますよね。先日街中で会った見知らぬお子さまに、「あっ、スーパーのおばちゃんだ!」と言われましたが、そのように覚えていただいて幸せです(笑)。多くの人たちの生活に密着しているスーパーのことが語れないのに、「食文化研究家」と言ってはいけないなとも思っていますし。もちろん、スーパー以外の食分野にも精通していますよ。

幼いころは「果物の専門家になりたかった」

――そもそも、スギさんが「食」にまつわるお仕事にたどり着くまでのお話を聞かせてください。 スギ:私は商社勤めのサラリーマンの父と、専業主婦の母の家庭に生まれ育ちました。いわゆる教科書に出てくるような、一般的な核家族です。母は美術と料理が好きで、なぜか画材屋さんとスーパーをセットで行き、私はよくついて行っていました。そんな母の影響から、「食はアートのように自分で生み出すもの、いろんな食材があって自由で面白いな」という価値観が自然に根付き、毎日やってくる「食」に対して特別な興味を持つようになりました。 ちなみに幼いころから私は果物が大好きでした。ドラえもんの読みすぎもあり、便利な道具を使えば、「皮がない全部果肉のみかんって作れないのかな」「種のないリンゴくらい大きなサクランボが食べたい」などと思っていて、植物の研究をして、果物の専門家になりたいと思っていたんです。
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東大を目指すきっかけは…
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1982年、札幌市生まれ。中央大学卒業後から10年間、光文社『女性自身』記者として芸能人や美容・健康分野の取材を担当。2016年独立後、雑誌の取材に加え、写真集や書籍の構成・編集なども担当
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