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「アイドルを呼んだ覚えはない」 “竹島の日”式典参加者を取材。今井絵理子政務官への怒り止まず『White Love』が流される場面も

地元記者の問いに答えず会見は打ち切りに

ヤジを飛ばす参加者

ヤジを飛ばす参加者

 式典には360人が参加。今井政務官はヤジを浴びながらも、表情を崩さず淡々と原稿を読み続ける。ネット上では「原稿を読むだけなら誰でも出来るのでは」「ヤジの意味を理解しているのか?」など批判の声が飛び交った。  式典終了後に応じた会見でもそのスタンスは変わらない。用意された原稿に目を落としながら「有効な方策を不断に検討してまいりたい」と従来の方針を繰り返すのみだ。  地元の記者に「今後、閣僚の出席はありますでしょうか」と問われたが一切答えず、会見は打ち切りに。「サインください」「アイドルだろ? サインでも書けよ」と、皮肉まじりの辛辣なヤジを浴びながら黒いハイヤーに乗り込み、会場を後にした。
早々とハイヤーに乗り込む今井絵理子

早々とハイヤーに乗り込む今井絵理子(写真:出見晃大)

 サインを求めた男性に話を聞くと「島根県が呼んでいるのはあくまで大臣。要請していない人が来たなら、アイドル扱いしてこき下ろすのは当然」と憤る。  また別の参加者は「元アイドル議員に任せている時点で、政府がこの問題に本気ではない証拠」と苦々しく語った。  その一方で会場にいた地元の女性は、「毎年、代わる代わる政務官が来るだけ。でも有名人が来れば報道されるかもしれない。とにかく関心を持ってもらうためには何でもいいからすがりたい。とはいえ、領土問題担当大臣がいるなら来てほしいし、来ないなら何の仕事をしているのかと思う」と複雑な思いを口にした。

「出席を望まれているか」すら知らない領土問題担当大臣

坂井学領土問題担当大臣

坂井学領土問題担当大臣

 地元住民の思いとは裏腹に、領土問題担当大臣・坂井学氏の答弁は曖昧だった。 「竹島の日」の前に行われた2月14日の会見では、島根県の閣僚出席要請を受けながら政務官派遣にとどめた理由や、竹島問題への現状認識、今後の取り組み方針を尋ねても「今後の対応に支障を来す恐れがあるため差し控える」と繰り返すばかり。  領土問題担当大臣としては内外発信の強化に努めるとしつつも、記者から再三問われた際には、こう続けた。 「この式典、あれかな? 私は案内いただいている認識でいいのかな? どうなのかな?(事務方に目を向けて確認) ……案内はいただいている認識でございます。これ以上の具体的な内容については、今後の対応に支障を来す恐れもあるので、ここまでとさせてください。」  そもそも自身が出席を求められているのかどうかすら把握していない――それが日本の領土問題を担う国務大臣の姿である。 「竹島の日」後の会見でも、今井政務官を派遣した成果を答えた際、島根県が設置した「竹島資料室」の名称を間違えるなど、認識不足も垣間見えた。
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地元の苛立ちと“東京”との温度差
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