更新日:2025年03月15日 15:07
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若者の“宝くじ離れ”が進む一方で…「当選確率はゼロに近い」のに一発逆転を狙う”氷河期世代”の悲哀

貴重な生活費を削り、貧困が加速

 宝くじは売上全体の47%ほどを当選金として支払っています。宝くじを買い占めた場合、それだけが戻ってくるというわけです。一方、パチンコ・パチスロや競馬は80%ほどと言われています。宝くじは還元率も低いのです。しかし、一発逆転を狙いたいという強い思いを持ち、自分は当たるに違いないと考えて、宝くじを購入する層は減ったとはいえ絶えません。  自分が貧しいと感じ、所得が一定水準以下だと過剰なリスクを負う傾向があることもわかっており、そういう人ほど宝くじを買いやすいのです。そして貴重な生活費を削り、貧困が加速するわけです。  価値観や時代背景、辿ってきた道のどれをとっても氷河期世代と重なります。  貧困は経済的な成功を促すスキルや能力、知識がないために引き起こされると考えられがちですが、貧困そのものが知的資源を減らすという見方もあります。つまり、お金がないことで社会への興味関心を失い、知的範囲を制限することで貧困が引き起こされてしまうというものです。明るいイメージのある宝くじですが、時代に変化とともにその色合いが変化しています。 <TEXT/不破聡>
フリーライター。大企業から中小企業まで幅広く経営支援を行った経験を活かし、経済や金融に関連する記事を執筆中。得意領域は外食、ホテル、映画・ゲームなどエンターテインメント業界
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