雑学

「ギニース・パルトロー」は絶滅…カナ表記には興亡がある

 レナード・ディカプリオ or レオナルド・ディカプリオ? ギニース・パルトロウ or グウィネス・パルトロー?……一体、どっちで読めばいいの?

『恋におちたシェイクスピア』の頃には、完全に「グゥイネス・パルトロウ」派が覇権を握っていた

 その昔、映画が好きで映画雑誌の『ロードショー』(集英社 ※08年に休刊)と『スクリーン』(近代映画社)を読み比べしていて、ふと疑問に思ったことがある。前者では俳優Leonardo Dicaprioを「レオナルド・ディカプリオ」と表記するのに対し、後者では「レナード・ディカプリオ」と表記していた。同じく女優Gwyneth Paltrowは前者が「グウィネス・パルトロウ」、後者が「ギニース・パルトロー」と表記していた。今では、どちらも前者が定着している。

 また、Steve Buscemi(スティーブ・ブシェミ)はチョイ役だった『バートン・フィンク』(1991年)のパンフを見ると「スティーブ・ブスケミ」になっているし、Martin Scorsese(マーチン・スコセッシ)も初期は「マーチン・スコシージ」と書かれていた。考えてみると、Diを「ジ」「ディ」「ヂ」と読むなど、外来語のカタカナ表記には、かなり“揺れ”がある。

 先日、NHK放送文化研究所に漢字の読み方をどう統一するか、について取材に行ったとき、実は外来語のカタカナ表記も時代によって変化があると言っていた。ラジオは昔「ラヂヲ」だったが、「ヂ」や「ヲ」は廃れてしまった。同じように、「V」にカナ書きするときの「ヴ」が廃れるかどうか、注目している、とのこと(「NHK放送文化研究所ホームページ」より)。

 また、外来語のカタカナ表記は、専門分野によっても違い、Diigitalは一般用語では「デジタル」だが、日本工業規格(JIS)では「ディジタル」と表記するそう。最近では、英語を自動でカタカナ読みに変換してくれるサイトもいくつかあるので試してみるのも面白いかも。

 ただし、定着した読みのほうが正しいとは限らず、音楽評論家のピーター・バラカンは(イギリス人)は今でも頑なに「マーティン・スコシージ」と書く。アレサ・フランクリンは絶対に「アリーサ・フランクリン」、歌詞や曲名のハッピーは「ハピ」。業界では“バラカンガナ”とも呼ばれ、編集者は絶対に直してはいけない。バラカンさん、『猿はマンキ お金はマニ(NHK出版)という本まで書いてます。 <取材・文/日刊SPA!編集部>

猿はマンキ お金はマニ

日本人のための英語発音ルール




おすすめ記事