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「これは海と僕との戦い」素人密漁男の身勝手な言い分

 昨今、海や川での密漁行為が増加している。密漁といえば、暴力団の資金源のように、組織的な犯行がとりざたされることが多いが、実は、立ち入り禁止区域に入る不法な釣りや、禁漁とされている魚介類を獲るなど、個人の“素人”による犯行も横行しているのだ。逮捕されるかもしれないリスクを背負ってまで行為を繰り返す、素人密漁者の姿を追った。

<鳥取県>
◆「密漁は海との戦い」密漁中毒者と化した男の身勝手な言い分


潜水

高崎さんが潜水中に撮影した写真。「いつも獲ってくる量は、貝だけで段ボール1箱くらい。裸一貫で勝負していくあたりに僕の美学があったりする」そうだ

 売買目的の密漁だけでなく、その行為自体に中毒症状を起こしているケースもある。「潜って獲物を獲ることは海と僕の戦いなんです」と、自身の犯罪行為を正当化するかのように話すのは、鳥取県在住の高崎豊さん(仮名・30歳)だ。

「僕の場合、浜から泳いで岩壁を渡り30分かけて沖に出ます。そこは、地元の漁師が放流した卵などが流れついたのか、サイズのいいアワビやサザエがよく獲れる。格好は海パンと肌を護るロンT、それにイボ付き軍手は必須です。行くときは長年一緒に潜っている地元の“バディ”と行くのですが、サメも出る危険な場所なので、向かう道中、『鼻が弱点だからこうぶん殴って~』など、真剣にサメ対策を練りますね」

 沖合だけに波も激しく、「潜って写真撮影をしたら波にのまれて死にかけたこともある」という彼。

「真剣にやらないと死にます」とも話すが、営利目的でもないのに、なぜそんな危険な行為を?

「しいて言うなら、そこに海があるからです。狩猟本能というか、素潜りで獲ると海と一つになる感覚になれるんです。潜り続けると段々と体温が下がってくるので、チョコを食べて休憩し、また潜る。乳酸が溜まると体が沈んで潜りやすくなりますが、やり過ぎると陸に上がれなくなるので、帰りの体力も計算する。この判断が難しいんですよ。シュノーケルやウエットスーツを使うのは、粋じゃないので嫌いですね。それに、潜っていると、虹色に光るイカの大群や何百匹のアジの大群に遭遇して、美しい海の景色に出合える。その感動は言い表せません」

 ならば密漁をせずに、ただ潜るだけにしてほしいものだ。

― 海で!川で![素人密漁者]が大暴れ【5】 ―

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